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チャーチ&チャペル

Architecture , BOOKS

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チャーチ&チャペル Church & Chapel
アントニン・レーモンド Antonin Raymond/日本/1935-1970
 World Architecture

写真: 宮本 和義
解説: 内藤恒方, 土屋重文

ISBN: 978-4902930283
出版: バナナブックス
価格: 1,785-円 (税込)

バナナブックスの World Architecture シリーズの12冊目の舞台は日本、アントニン・レーモンドの Church & Chapel チャーチ&チャペルだ。

レーモンドは1888年チェコ生れ、今年は生誕125周年ということになる。太平洋戦争前と後と、日本で大いに活躍、日本近代建築の祖というべき巨匠だ。多くの作品を残しているが、沢山ののキリスト教の宗教建築を設計している。

本書の最後に、Antonin Raymond Church & Chapel として年譜が掲載されているが、戦前6ヶ所、戦後13ヶ所(フィリピンの聖ジョセフ教会を含む)を数える。レーモンド32歳から79歳……実に精力的だ。

今回、作品写真として取り上げらているのは、軽井沢聖ポール教会(1935年)、聖アンセルモカトリック目黒教会(1954年)、神言神学院(1964年)の3ヶ所と、クリスチャン・アカデミー音楽堂(1970年)だ。そして、1枚だけの写真だが。聖十字教会(1961年)が取り上げられている。

解説の任にあたられたのは、元レーモンド事務所スタッフの内藤恒方氏、土屋重文氏のお二人だ。1934年生れの内藤氏、47年生れの土屋氏……世代は異なるが、同じレーモンドに学んだ経験が熱く語られている。

本書はアントニン・レーモンドの作品紹介だけということでなく、レーモンドの極近くにいた元スタッフの証言として、建築家・アントニン・レーモンドの評伝としても優れたものになっている。


目 次
軽井沢聖ポール教会
聖アンセルモカトリック目黒教会

 レーモンド設計事務所で学んだこと・・・・・・・・・・・・・・内藤恒方

神言神学院
クリスチャン・アカデミー音楽堂

 「建築家は60歳になって一人前!」と彼は言った・・・・・・・土屋重文
 クリスチャン・アカデミー音楽堂のことども・・・・・・・・・・土屋重文

Antonin Raymond Church & Chapel


写真は、もう半世紀以上になろうとしている東京都世田谷区若林の聖十字教会内部だ。

1961年竣工、ごく初期の集成材とラワン合板を曲げて作られたボールト状の空間、その簡素な空間が今もって、そのレーモンド事務所の担当者であった内藤氏の協力で維持され使われ続けていくこと……、すばらしい。

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バナナブックス World Architecture シリーズ、めでたく12冊刊行……、というわけで、今までのエントリーをまとめてみた。

 ● aki's STOCKTAKING: チャーチ&チャペル
 ● aki's STOCKTAKING: アアルト邸とアトリエ
 ● aki's STOCKTAKING: ユニテ・ダビタシオン
 ● aki's STOCKTAKING: 自由学園明日館
 ● aki's STOCKTAKING: Villa Muller
 ● aki's STOCKTAKING: Villa Tugendhat
 ● aki's STOCKTAKING: Yamamura House
 ● aki's STOCKTAKING: Villa Savoye
 ● aki's STOCKTAKING: La Tourette
 ● aki's STOCKTAKING: Natural Ellipse
 ● aki's STOCKTAKING: Horta House
 ● aki's STOCKTAKING: Schröder House


Posted by 秋山東一 @ October 11, 2013 01:40 AM
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