Villa Tugendhat | [ Architecture , BOOKS ] |
Villa Tugendhat
1930 トゥーゲントハット邸
Mies van der Rohe ミース・ファン・デル・ローエ
写真: 宮本 和義
著者: 栗田 仁
ISBN: 978-4902930160
出版: バナナブックス
定価: 1,470-円 (税込)
2006年9月に、その頃充実著しい Google Earth で Schröder House と Villa Tugendhat に飛んで、上空から訪問したものだ。そのコメント欄にバナナブックスを主宰する石原秀一氏が、写真は撮っているが出版するかどうかは.......とおっしゃっていて、やきもきしたのだが.......どうも、どうもなのである。
本書は、道路側からのファサード、アプローチの写真から始まる。
唯々、左右に延びていく水平線のファサードの中に切り取られた風景.......それ以外の何者でもない。それが Less is more なのか..........。このあまり知られていない1930年のミースの住宅、そのコンテンポラリー、近代の時代精神の形がそこにあるのだ。
先日見学したアントニン・レーモンドの旧赤星鉄馬邸も1934年竣工、同じく水平なファサード、そして馬蹄型の階段.....そこに同じ気分を感じる。レーモンド(1988-1976)自身もミース(1986-1969)と同世代の人なのだ。
その全体像を捉えるべく撮られた宮本和義氏の写真は50余枚、そのディテールまで撮り尽くしているのだ。それに創建時の写真、寸法の入ったオリジナルの図面によって、その時代を超えた全貌を明らかにしているのだ。
私がこの住宅の存在を知ったのは1996年2月にプラハ・ウィーンを旅行した時であった。ウィーン在住の若い建築家から聞いたのであったが、ブルーノという都市自体も初めて聞いたのであった。本書の写真も雪の残る冬の写真、あの旅行時の季節を思い出した。
このバナナブックスの World Architecture シリーズも、このミースのトゥーゲントハット邸の登場によって世界遺産の近代住宅がそろったと同時に、コルビュジェのサヴォア邸、ライトの旧山邑邸、そして、本書によって近代建築三巨匠の住宅が揃ったことになる。
石原さん、どうもです。
いい本ですね。これだけ充実したトゥーゲントハット邸だけの本はなかったんじゃないでしょうか。たしかに寒々とした冬空の写真は元気出ませんが、満足満足でありましたですよ。
バナナブックスの石原です。秋山さん、ご紹介ありがとうございます。ミースの建築は、写真映りが悪い。名手・宮本さんも苦戦したようです。ユニバーサルスペースというか、切り取られた空間がそこにポンとある感じで、どこにでもある感じに映ります。実際に見に行くと、不思議な空間で、唯一のものです。
十重柱のモデルを、たまさかいった東大・建築学科の廊下で見つけました。その写真と解説を載せています。お楽しみください。
segway さん、どうもです。
ミースの原点と言われる住宅、完全に修復されて公開されているそうです。
いかにも寒々とした冬空での写真ですが、すばらしく充実した一冊です。
ミース建築についての最新刊ですか。詳しい事は解らないですが、近代建築三巨匠のなかで、特に惹かれる建築家。即買いします。
Posted by: segway @ June 27, 2008 06:19 AM