Yamamura House | [ Architecture , BOOKS ] |
Yamamura House
1924 旧山邑邸 現ヨドコウ迎賓館
Frank Lloyd Wright フランク・ロイド・ライト
写真: 宮本 和義
著者: 谷川 正己
ISBN: 978-4902930177
出版: バナナブックス
価格: 1,400-円(税込)
ところで、本書は、コルビュジェのサヴォア邸に引き続いて、やはり、20世紀の巨匠、フランク・ロイド・ライトの旧山邑邸である。サヴォア邸に出かけるのはちと遠いが、旧山邑邸、現ヨドコウ迎賓館は日本国内、関西・芦屋にある。それに国の重要文化財として維持管理され一般公開されているのである。
1910年代、ライトが旧帝国ホテルの建設のため来日していた時、依頼を受け設計した住宅であるが、旧帝国ホテルと同じくその竣工を見ることはなかった。彼の日本の弟子達、遠藤新、南信の実施設計によって1924年に竣工した。そして、ライトが日本に残した二軒の住宅 (もう一つは旧林愛作邸、東京世田谷、非公開) の一つとなったのである。
私は、20年ほど前、旧山邑邸に行ったことがある。遠藤新のご子息である建築家・遠藤楽さんのご案内で見学することができたのである。ライト特有の包み込まれるような空間を堪能したのであった。その後、1995年の阪神淡路大震災で被害をうけ、大規模な修復工事が行われ、今、公開されているのである。
本書はフランク・ロイド・ライトの住宅、彼独特の空間を、又、そのディテールを十二分に捉えた宮本和義氏の写真によって構成されている。そして完璧な図面が掲載され、充実した解説は、フランク・ロイド・ライトの権威、谷川正己氏によるものである。
本書をポケットに、阪急神戸線芦屋川のホームから、この旧山邑邸の雄姿を望み、ゆっくりと「ライト坂」を上って行きたい。
Posted by 秋山東一 @ April 7, 2008 07:48 AM石原さん、どうもです。
私が見た時は、最初の修復の後と思いますが、美しいとは言いがたいレベルでした。本書を見ると見違えるような状態ですね。再訪したいと思いました。
バナナブックスの石原です。秋山さん、本のご紹介ありがとうございます。私が山邑邸を訪れたのは、もう時効なので告白しますが、閉鎖中の所を塀を乗り越えて入った30年前、建築家の石田信夫さんと一緒の時。ほんとうに荒れ果ていました。
いま、阪神大震災の被害など不幸中の幸いから2度の修復を受け、すばらしい姿を見せてくれています。自然景観を生かした住宅は落水荘に伍すとおもいます。ぜひご覧になってください。
秋山さんがおっしゃるように、ライトの弟子のレーモンドが日本にいつかなかったら今につながる日本の住宅はどうなっていたのでしょうか・・・。
たかさん、どうもです。
このエントリーを書きながら、昨年、見学した旧赤星鉄馬邸のことを思いだしました。設計したアントニン・レーモンドはライトの弟子として日本にやってきたわけですが、戦前の日本の近代デザインの住宅は、ライトが帝国ホテルの設計の為に来日したことに起因しているのですね。
バナナブックスのwebを見ていて『手に入れなくっちゃ!!!』と思っていました...。
迎賓館ゴライハイ...(笑)はしばしお預け、『体験ツアー』で楽しむことと致します...笑。