Villa Muller | [ Architecture , BOOKS ] |
Villa Muller
1930 ミューラー邸
Adolf Loos アドルフ・ロース
写真: 宮本 和義
著者: 後藤 武
ISBN: 978-4902930207
出版: バナナブックス
定価: 1,470-円 (税込)
もう、10年以上前のことだが、1996年の2月、プラハとウイーンの二都市に滞在するという小旅行にでかけたことがある。
もちろん、ウイーンのミヒャエル広場でロースハウスを前にしたのだが、プラハで、このミューラー邸を遠目で見ていたのだ。しかし、それがロースのものであることは知らずに通り過ぎたことがあるのだ。
アドルフ・ロースは、その実作によって語られるというよりは、その著作によって語られる事を常とする建築家であろう。その「装飾は犯罪である」というような過激な主張によって、その実作が理解されることはないような気がするのだ。
本書は、かって鉄のカーテンの向う側にあってその存在さえ定かではなかった、プラハのミューラー邸 Villa Muller 紹介の完全版ではないかと思われる。このシリーズの全ての写真を撮り続けている写真家・宮本和義氏の縦横無尽の写真、それはこのロースの作品を余す所無く、その自閉しているかに見える外観から、その中身を白日の下にさらすかのごとく徹底しているのだ。
そして、「アドルフ・ロースの現代性」と題する建築家・後藤武氏の解説はロースのテキストとその物としてのミューラー邸をつなぎ、その現代性へと一歩踏み込んだ論理を展開している。
本書によってアドルフ・ロースの理解が深まり、モダンデザインの起源がより身近に感じられるのである。
Google マップで高解像度の航空写真が見られるのにびっくりだ。東側の建物の影は Villa Muller と同じなのだが、写真を撮った方角が南北.....逆さなんだが、さてどうしてなんだろ。
石原さん、どうもです。
いつのまにか8冊........がんばっていますね。このロース本、もちろん写真あってのものですが、テキストによって生きていますね。
たくさんの方々に手に取って欲しいものです。
ご紹介ありがとうございます。バナナブックスの石原です。
このシリーズもなんとか8冊目になりました。ハンディな建築本としてやっと認知され出しました。
この住宅、読み解くのに難儀な建築です。後藤武さんはテキストはワクワクして読み進めます。すばらしい書き手です。お楽しみください。
ところで、アマゾンの手違いでまだアップできていません。もうしばらくお待ちください。