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アースダイビング@下北沢

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 1880(明治13)年頃/2万分1地形図 に今回の概略探索ルートをプロット

ブログの力」の出版を記念して、「カフェ杏奴」でミーティングが開かれたのは昨年2004年の勤労感謝の日、11月23日であった。それを、すっかり忘れていたが、その一周年と一日記念の24日、お馴染みのメンバーによる「アースダイビング@下北沢」が挙行された。

この試みは、最初のミーティングで初めてお会いした「Kai-Wai 散策」の masa さんにご案内していただいて、私と玉井さんが根津・谷中界隈を訪れたことから始まった。
その後、中沢新一の「アースダイバー」に触発され、六本木から東京タワーへの「(仮称)アースダイビング大会」を行い、ついにその第二弾、「アースダイビング@下北沢」とあいなったのだ。
今回の探索は上原から下北沢、その地形を吟味すると同時に、今大いに騒がれている下北沢駅前計画と計画道路を検証することにある。


11月24日正午、小田急線代々木八幡からほどなくの代々木八幡神社に、アースダイバー達が結集したのだ。

この小高い丘の神社はその境内に縄文遺跡を有する。中沢新一の「アースダイバー」にも記述のある、典型的な東京の半島状の原型的な場所なのだ。境内の真ん中に復元された竪穴住居跡、そして出土品の展示もあるという充実した場所である。そこには想像図のパネルがあり、小高い岬状の広場を囲む竪穴住居群が描かれ、低地の海岸線で漁労する縄文人が描かれている。

三々五々集合したのは、masa、aki、TamiGa、Matsu のお馴染みブロガーの面々、そして今回、同じ建築設計者仲間の kawa、sekine、今話題の構造設計者の ono、今回の目的の下北沢駅前開発の検証の講師役の都市計画家の nihei と豪華メンバーてんこ盛りなのだ。furu本日は上棟式とのことで、夜から参加だ。それに、TBSの取材、これ又、てんこ盛りの一部なのだ。


まずは、おもむろに出発だが、のっけから計画外の山手通りご巡航とあいなった。これはテレビ局の富ヶ谷交差点の歩道橋の上からカメラなるご注文、井の頭通りの北から探索から、南側から探索へと順路を変更とあいなった。このあたり、今回の私の地元ということもあって自在な変更であったのだ。

山手通りからそれて細い坂道、路地に潜れば、そこはもう海、そしてじょじょに上っての台地は縄文人の土地だ。いつも見慣れた景色もアースダイバーとなって眺める風景は、縄文人の目線になっているのが良く感じるのだ。今回、その縄文人の目線を大いに強化する新兵器を masa さんがご用意くださった。携帯GPSだ。内蔵された地図上に行跡がプロットされるのみならず、高低まで記録されるという優れものであったのだ。今回の目論見、10kmの行程の全てが、その機械に記録されたのであった。

大地の高低を楽しみながら井の頭通りに浮上、今回の代々木上原界隈の観光スポット、JASRAC(元古賀政男邸跡)と東京ジャーミイへと向かう。東京ジャーミイは最近建て替えられたトルコ系のモスク、二階の礼拝堂に至るまでの内部の見学までできたのは収穫であった。

東京ジャーミイから大山町の一画を辿って小田急線のトンネルをくぐって上原方向、航研通りから三角橋へ、ここが問題の下北沢を横断する「都市計画道路補助54号線」の起点なのだ。山手通りからおれた、この航研通りは昔から不思議な通りであった。両側に歩道を有する立派な通り、それがここ三角橋から東北沢方向に急に細くなってしまうのだ。今回、航研通りの延長上に「都市計画道路補助54号線」があることを知ったのであった。

一行はここから下北沢へと都市計画道をトレースするように下北沢に向かったのだ。

小田急線線路脇のボクシングジムの脇をすり抜けて下北に入る。カソリック教会の敷地に入って計画道路の位置を確認する。下北の街は相変わらずの喧噪の中にある。駅前の闇市風のバラック地帯に入る。ここは sekine さんの育った所なのだ。トタン屋根の上で遊んでいたことなんてことをお聞きし、いまだ健在のスポーツ用品店の前で父上母上にご挨拶する。

West & East をかすめて、商店街を計画道路に沿ってトレースしながら住宅街へ、坂道を下って上って環七に到達、今回の「都市計画道路補助54号線」の全体を確認したことになる。

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その後は、下北在住の都市計画家の nihei 氏の案内で谷道を下北沢の南側を探索する。
針供養で有名な代沢の森厳寺、隣の北沢八幡宮、この辺りの大地主阿川家の赤門までを探索する。

さて、masa さんの GPS によれば、もう移動距離は9km以上、もう、暮れてきたのだ。ビールに向かって街中に戻らねばならない。

まずは下北一番街の「椿」だ。ここの「レバちょい焼き」は天下の逸品なのである。小さな店、カウンター10席だけの店だから、入れるのかちょっと心配だったが開店直後、アースダイバーで店は占拠されたのであった。しかし、店主の「レバちょいはやめたので......」は大ショック、しかし、まずは前菜であったのだ。
その後、いつもの新雪園で水餃子やら、なんたかんた、そして7時ちょっと前には、最後の LADY JANE へと.........、もうお疲れの居眠りもあったが.......下北の夜は、記憶も霞みながら、更けていくのであった。


今回、私の慣れ親しんだ代々木八幡、上原、下北沢界隈の探索であったので、改めてアースダイバー的な目線で、見慣れた風景を再構築する、といった感じであった。

今回の地図は1880(明治13)年頃/2万分1地形図を200%に拡大し1万分1にしたものと、現況地形図1万分1を携帯した。iGa さんにいただいた彩色した同じ1880(明治13)年頃/2万分1地形図は実に想像力を喚起させられるものであったが、下北沢以西がなく残念なことであった。
今回の masa さんの現況地形図の「カシミール3D」による等高線の表現と比較すると、まだ牧歌的な田園であったあの辺り、等高線も実にアバウトであることが分かる。

今回歩いた尾根道、まったく縄文人が辿った道ではないかと想像している。
道という存在、この大地が時間と共に人間の手によって開発され改変されても、そう簡単に地上から消し去ることのできない存在であるようだ。今回歩いた多くの道が、少なくとも1880年の地形図に存在し、縄文人の地図にも、それはあったと想像しているのだ。

Posted by 秋山東一 @ November 26, 2005 06:45 AM
Comments

Lunita さん、どうもです。
家内にこの事を話したら、森清さんのことをなつかしく話していました。家の次男の洋介と同級生だった弟さんがいらっしゃるとか。
こちらこそよろしくお願いいたします。

Posted by: 秋山東一 @ December 1, 2005 08:13 PM

こんにちは。ご報告遅くなりましたが、先日kenちゃんからコメントをいただきました♪お知らせくださいましてありがとうございます。ほんと、どこでつながるかわかりませんね。ご連絡先わからないのでkenちゃんにもよろしくお伝えくださいませ♪今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by: Lunita @ December 1, 2005 10:51 AM

Lunita さん、masa さん、どうもです。

ken にこの件伝えてあります。彼は私よりアナログな人なので......、森清さんのお名前は昔聞いたことがあるように思います。このデジタルなネットの世界ではどこでどう人に出会うかわかりませんね。

Posted by: 秋山東一 @ November 29, 2005 08:35 PM

AKiさん、Lunitaさん、なんとも口アングリです。世間は狭いと言いますが、こんなことがあるのですね。今回下北に潜ったいちばんの収穫かも?ですね(^^;

Posted by: masa @ November 29, 2005 11:34 AM

Akiさん わぁ、やはりけんちゃん(けんぼうとも呼んでました)のお父様でしたか!びっくりです。私はけんちゃんと小、中と同じだった森清です。覚えてらっしゃるかな~。私は食関係の仕事をしていたのですが、今は子どもも産まれ育児業に。お恥ずかしながらブログのようにおいしい*たのしい湘南子育て生活をしています。masaさん、ブログを通してこうやってお知り合いに出会えるとはとてもうれしいです。けんちゃんにもよろしくお伝えくださいませ。今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by: Lunita @ November 29, 2005 10:20 AM

例のTBSの地震特番は12/9の夜に放送される「緊急特番!巨大地震が日本を襲う日 大津波は?その時あなたの街はこうなる」のようです。それにしても長ったらしい番組名だ。名大の福和伸夫・教授が監修しているらしい。
TBSの取材クルーも最小限の編成で、やっぱり、女優がいないと照明は同行しませんね。アースダイバー・徘徊オヤジ組を取材した映像が使われる可能性は限りなくゼロに近いでしょうね。

Posted by: iGa @ November 29, 2005 09:42 AM

GG-1 さん、はじめまして。

秋山といいます。建築の設計が生業ですが、アースダイバーです。
ご興味をお持ちいただいた地形図は1880年頃のものですので、等高線はずいぶんとアバウトです。リンクしている masa さんの、カシミール3Dのマップの等高線は見事に現状の建物で見えなくなった地形を見せてくれます。

Roc写真箱、興味深い写真でいっぱいですね。よろしくお願いいたします。

Posted by: 秋山東一 @ November 29, 2005 08:38 AM

こんばんは、初めまして。リンクをたどって参りました。
等高線表記による尾根道がわかる地図は、考えたことが無いだけに新鮮でとても興味深く読ませて頂きました。
全くの門外漢ですが、又お邪魔したいと思います

Posted by: GG-1 @ November 29, 2005 04:31 AM

lunita さん、こんにちは、いらっしゃいませ。

私の長男は研介といいます。けんちゃん は彼のことのようですね。
大阪芸大の建築科を卒業して私の事務所にいます。

Posted by: 秋山東一 @ November 28, 2005 10:42 PM

はじめまして。masaさんのところから参りましたLunitaです。お子様3人とも上中出身と伺いびっくりして飛んでまいりました。私の同級生にも秋山君というとても絵の上手な男の子がいましたが、もしや???けんちゃんと呼んでいました。もしお子様だったらびっくりですね。そうでなくても、masaさんを通して地元の方とこうやってつながるとはうれしいことです。またおじゃまいたします♪

Posted by: Lunita @ November 28, 2005 09:50 PM

<「レバちょいはやめたので......」
えーー!!それは、大ショック!!
鳥インフルエンザ騒ぎと関係があるのかなぁ。
ま、まさか、LANDの上原移転と関係が.....

Posted by: nOz @ November 27, 2005 10:41 AM

masa さん、ご苦労様でした。

最後は迷子にさせちゃったんじゃないかと心配しちゃいました。

下北を楽しんでいただいたようで、よかったです。アースダイバー以後、縄文人に進化したんじゃないかと思うくらい、本当に景色の見え方が変わってきたと自覚してます。そして、ご用意いただいた GPS とカシミール3Dのマップ、よかったですね。最新鋭のお道具で武装した縄文人 masa、というのはどうでしょうか。

今回、「Kai-Wai」のコメントでお馴染みの wakkyken さん(脇田先生と申し上げるのかな)からもコメントいただいてしまいました。一度ご一緒したいものです。

Posted by: 秋山東一 @ November 26, 2005 12:08 PM

秋山さん、今回も前回に引き続き、おんぶにだっこ状態で、大変申し訳ありませんでした。馴染みのない土地でしたが、秋山さんをはじめ下北沢を知り尽くした方々とご一緒させていただき、何を伺っても即答えが跳ね返る状態での散策、大いに楽しませていただきました。
通常であれば、お目にかかることすら難しい秋山さんに、こうして、弟子とも何ともつかない(^^;状態で、交流させていただき、勉強もさせていただいていますのは、やはりブログあってのことだと、改めて感じてもいます。GPSは、そんな少年秋山さんのお喜びになるお顔が拝見したく、思い切って購入した、と言っても過言ではありません。喜んでいただけてとても嬉しく思っています。また、叱られないよう(^^;使いこなしに精進いたします(^^;
ほんとうに、楽しい一日を、ありがとうございました!

Posted by: masa @ November 26, 2005 11:34 AM

秋山さん、こちらこそ、機会がありましたら、どうかよろしくお願いいたします。僕のばあい、三軒ハシゴは自信がありませんが、二軒ハシゴだと大丈夫だと思います。

Posted by: wakkyken @ November 26, 2005 11:00 AM

wakkyken さん、はじめまして、秋山です。

masa さんの「Kai-Wai散策」で、興味深いコメントの数々を読まさせていただいております。中沢新一の「アースダイバー」についてのコメントもよく覚えています。今回のアースダイビングは masa さんの「携帯GPS」で、ぐぐっと精度が上がってきたという感じで面白くなってきました。ここに集まったアースダイバーの面々、各種資料を探したり作ったりするのが得意ですが、masa さんの今回のカシミール3Dのマップは圧巻でありました。

いつでも、最後は美味しく終わるのが常ですが、今回は勝手知った下北というわけで、三軒ハシゴして終わったのでありました。そんなこんな、一度ご一緒にアースダイビングさせていただければと思います。
よろしくお願いいたします。

Posted by: 秋山東一 @ November 26, 2005 10:09 AM

秋山さん、はじめまして。wakkykenといいます。masaさんの運営されている『Kai-Wai散策』で、アースダイバー関連のエントリーにマイブーム的に熱中してきました。今回の「アースダイビング@下北沢」、3日前にいのうえさんの『漂泊のブロガー2』での秋山さんのコメントを拝見して知り、当日の様子がリポートされるのを楽しみにしていました。今回のルートがプロットされた1880(明治13)年頃/2万分1 の地図、等高線が入っているので、masaさんのGPSの地図と並べてみると、たいへん興味深いものになりますね。「第3回目」も楽しみにしています!!

Posted by: wakkyken @ November 26, 2005 07:56 AM