070917
| Make: Technology on Your Time Vol.01 | ［ Bricoleur , Mag , SELFBUILD/DIY ］ |
Make: Technology on Your Time Volume 01
編集: オライリー・ジャパン
ISBN: 4873112982
出版: オライリー・ジャパン
定価: 1,575-円（税込）
これは迂闊であった。
米国の「Make:」なるブログを知ってエントリーしたら、tecgnosis さんなる方に本書があることを教えていただいたのだ。
オライリー・ジャパンなる出版社はコンピュータ専門家ご用達って感じで、「REVOLUTION in The Valley」を購入したくらいで、どんな本がでているのかも知らなかったのだ。
この「Make: Technology on Your Time」は米国では季刊誌として刊行され、すでに11巻も出ている。本書は日本語版は英語版を再構成し、書籍として2006年8月に創刊されていたのだ。
既に２巻が刊行され、今月末には３巻が出版されようとしている。早速、この１巻を Amazon に注文、やってきたのである。
やぁ、期待通りの内容であった。
「Make 創刊に寄せて」と題する、「Make」の発行人兼編集者であるデール・ダハティ Dale Dougherty の一文がある。
我々はテクノロジーを消費するだけの存在ではなく、テクノロジーを創造する人間、「Maker」にもなれる。テクノロジーを自らの必要に適合させ、生活の中に取り入れていくこともできる。........................
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「Make」は、主としてテクノロジーを生活に役立つものにする方法を紹介することを目的として創刊される雑誌（日本では書籍のシリーズとして刊行）である。雑誌の中心をなすのは、テクノロジーを利用した「プロジェクト」を紹介する記事である。どれも、読者の興味を引き、しかも実用的なプロジェクトのはずだ。取り組みがいがあって、ともかく体験として楽しい。成果として得られるものは、友人と家族と分かち合うことができる。「Maker」になることは、料理人になることに似ている。先達の真似をし、さらに自分なりの工夫を加えていくことが大切だ。
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この Volume 01 の「プロジェクト」は四つ、どのプロジェクトも美しい図解とともに、それを読む事自体楽しいものなのだ。
● カイトフォトで上空からの眺めを手に入れる
● $14ドルで作るカメラスタビライザー
● 中古マウスで作るジャンクロボ「マウシー」
● ビデオデッキを改造して猫の給餌機を作る
「Projects」以外の記事、「Maker」なるインタビュー記事、「DIY 」なる初歩的な工作記事、「Columns」の各種情報に至るまで、充実の一冊なのだ。
日本的な「工作・DIY」の世界のお手本主義、その行儀良さはここにはない。
その姿形ににかまわない、プロとタイプを創造するという気概に溢れた、工作するというよりもハッキングするというような世界がここにはある。この迫力こそエネルギーの元のような気がする。
飽くなき情報の収集、そして、その実用への大胆な追求は、あのホールアースカタログの世界を引き継いだ世界があるような気がするのだ。
本書の最後の頁、176頁は「はじめてのコンピュータ」なるコラム、そこにはワイヤラッピングで自作（ハッキング）された AppleII のボードの写真があった。今をときめく Apple が、30年前、ガレージの中で「Make」、作られたことを思い起こさせられた。
● Make: Technology on Your Time Vol.05
● Make: Technology on Your Time Vol.04
● Make: Technology on Your Time Vol.03
● Make: Technology on Your Time Vol.02
● Make: Technology on Your Time Vol.01
Posted by 秋山東一 @ September 17, 2007 03:26 PM | TrackBack (0)
Make: のサイトを見ただけの印象でエントリーを書いてしまったが、紙メディアである本書を見て、より深く理解できたと思う。
日本では、科学し工作するような世界は学研の「大人の科学シリーズ」のような既製品の中にしかないようだが、この「Make:」には、もっとラジカルなハッキングと言えるような世界がある。