080619

ロシア 闇と魂の国家

BOOKS

4166606239.jpg


ロシア 闇と魂の国家
文春新書 623

著者: 亀山 郁夫, 佐藤 優

ISBN: 978-4166606238
出版: 文藝春秋
価格: 788-円 (税込)

最近の新書って表紙よりも大きいんじゃないかと思うような帯が付いて、週刊誌の吊り広告か.....と見紛うような刺激的なコピーが踊っている。「独裁者なきロシアなど、あろうか?」.....やぁ、読んでみようじゃないか。まぁ、本書の書名自体恐ろしいのだ。
iGa さんが、これ面白い......とのたまわっておられたのを聞き、手に取ってみたものの、本書の知的レベルの高さに恐れおののき.......ちょっとエントリーするのもはばかれたのだ。

最近話題の「カラマーゾフの兄弟」新訳の亀山郁夫、これまた話題に事欠かない起訴休職中の外務官僚・佐藤優、ソ連、ロシア通の二人のガチンコ対談とあれば面白くないわけがない。


目次
    魂のロシア  亀山郁夫
    ロシアの闇  佐藤 優
第一章 スターリンの復活
第二章 ロシアは大審問官を欲する
第三章 霊と魂の回復

このお二方の対談、重厚にして長大.......まさしくロシアか、ドストエフスキーからスターリン、現代のプーチンから、メドヴェージェフにいたるまで、ロシアをロシアたらしめているものは何か......ロシアからソ連、そして現代ロシアへ、全てが連続し、その変らないロシアが語られる。........しかし、カラマーゾフも読んでいない私には「猫に......」的な読書でもあったのだ。

 ● MADCONNECTION: ロシア 闇と魂の国家


私にとってロシアへの最大の興味は、その工業技術での独創性にある。
ソ連時代の米国との宇宙開発競争で遺憾なく発揮されている人工衛星や探索機のデザインは米国のものとは大いに異なる独創性を備えている。米国の物が工業製品として「たし算」の結果で出来ているとすれば、ソ連の物は発明家の仕事のような「分数の割り算」で出来ているような印象があるのだ。それは、AK の設計者カラシニコフT34 の設計者であるコーシキンの設計の特異性にもあるのだ。それはロシア的な何ものではないかと考えているのだ。

本書「ロシア 闇と魂の国家」で分かった訳ではないが、個人の独創性を生み出し、それを活かす、ロシア的な風土があるのではないかと想像しているのだ。

Posted by 秋山東一 @ June 19, 2008 06:42 AM
Comments

iGa さん、どうもです。
本書で、お二人が米原万里と友人だったというのを初めて知りました。
とにかく、内容は多岐にわたり、二人の話は堰を切ったように....というくらいで、簡単に読み切れるというような本ではありませんですね。

Posted by: 秋山東一 @ June 19, 2008 11:59 AM

kass さん、どうもです。
やぁ、読みごたえありますよ。ぜひぜひ、お読みください。

Posted by: 秋山東一 @ June 19, 2008 11:47 AM

>エントリーは勢いのある....旬の内でございますですね.......。
その通りでございますね。
目次の小見出しを見ただけでもテーマが多岐にわたり、ちょっと取り出しただけで、あれよと云う間に膨れ上がり終始がつかない状況に...でした。

タルコフスキーについても成程....と思わせるものがありましたが...これも触れずに...です。

Posted by: iGa @ June 19, 2008 10:42 AM

これまた面白そうですが、「ロシア=全てが凍てつく国」などと思い込んでいる私などに読みきれるものなのか…
それにしても佐藤優氏はすさまじく精力的ですね。

Posted by: kass @ June 19, 2008 10:27 AM

iGa さん、いやいや、どうもでございます。
やはり、エントリーは勢いのある....旬の内でございますですね.......。

Posted by: 秋山東一 @ June 19, 2008 10:24 AM

私のエントリーは、下書きのまま埋もれてしまった。掘り起こせねば...。

Posted by: iGa @ June 19, 2008 07:51 AM