JIELDE / DESK LAMP | [ Light ] |
このエントリーは、最近になって初めて知ったメーカー名等々、そして、その外観だけではない……デザインの理由を知ることによって、内容を書き直した。(100309)
● aki's STOCKTAKING: JIELDE ジェルデというランプ/分解
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ずいぶん昔から常用しているが、
[891203]というダイモが貼ってあった。
たしか、浜松グランドホテル内のサザビーのバーゲンで手に入れたのであった。
フランス製だが、その頃、すごくこれが欲しくて、手に入れた時すごくうれしかったのを思い出す。
● lampes jieldé - luminaire design
デザイナーは Jean-Louis Domecq で、1950年頃登場、工業用ランプのスタンダードとなったそうだ。
何かファッショナブルなお道具と思われているが、何の変哲もない質実剛健、実用的な照明器具なのである。
Jielde : ジェルデ
1950年フランスのエンジニア・Jean-Louis Demecqは、当時の作業用可動式ランプの配線が自由な位置の妨げになり断線しやすいことに着眼し、配線のないジョイントを持つランプを開発した。
それまでの可動式ランプは、ヘッドの角度や向きを変えるためにジョイントを回転させることにより、ジョイント内部の配線が回転を続けるうちに頻繁に切れていた。 そこで、ジョイント部の配線の代わりに金属製のリングをかませ、この2つのリングが互いに噛み合い電気を通す仕組みを作ることでこの問題を解決したのであった。
Jean-Louis Demecqは自分の頭文字を取って「Jielde(ジェルデ)」を設立し、新しい構造のジョイントを持つランプを発表。以来ジェルデ社の製品は世界中の工場やオフィスで愛用されるようになり、作業用ランプの世界的スタンダードとなる。
1980年代にはデザイナーやスタイリスト達が一般の家庭での使用を提案するようになり、Ponpidou Centerでの展覧会に出品されたり、Paris Museum of Decorative Artsの参考コレクションに選ばれたりなど。機能と美しさを兼ね備えたデザインに対する評価は定着するようになる。
ランプシェードを二本のパイプのアームをダイキャスト製の部品でジョイントしただけだのもの、ラクソやZライトのような平行移動するような機能は持ち合わせてはいないが、外側からは垣間見ることはできないが、最大の特徴は内部に隠されているのだ。
アームのパイプ両端の半球形のジョイント部分に二つの同心円のリング状の接点を用意し、燐青銅の接点リングで通電しているのだ。これの優れたところは、どんなに回転させても、そもそも配線がないのだから、断線することがない。それに、アーム自体の互換性が保たれ、何本のアームでも繋げることができるところだ。
最大の外観上の特長はランプシェードをぐるりと囲むパイプ製の手掛けだ。これも熱を持ったランプシェードに触らずにシェードの位置を変えるための工夫である。スイッチは既製品のトグルスイッチ……このあたりのさり気なさは素敵だ。
ちょっとした偏見、フランス製、お洒落、華奢......というのは誤解である。フランスは質実剛健な工業製品の国でもあるのだ。でも、そんな中に洒脱な....ソレックスや、きっと、ジャン・プルーベみたいな感じがあるのだ。
このシェード廻りのパイプ製の手掛けの付いた物以外に、シェードの前にプラスチック製のノブが付いたバージョンもあった。しかし、このパイプ製手掛けの方がずっとかっこいいのである。
● Jielde ジェルデ
● P.F.S. ONLINE SHOP
現在、この日本で購入できるものは2種類に限られるようだ。
JIELDE DESK LAMP-CLAMP Size:アーム長さ 440mm+440mm ランプ部 φ160mm×高さ 115mm
JIELDE SIGNAL DESK LAMP Size:アーム長さ 330mm+330mm ランプ部 φ105mm×高さ 90mm
この JIELDE を分解し、解読してみたのだ。なかなかのものであります。
● aki's STOCKTAKING: JIELDE ジェルデというランプ/分解