030627

Velosolex 3800

CYCLE

この blog の ABOUT の中に個人的年表(備忘録のようなものです)に1975年 VELLOSOLEX(フランス製前輪駆動原動機付自転車)購入なんてメモしておいたのを、松代さんに目ざとく見つけられてしまった。

akiさんもsolexに乗ってたんですね。
solexというとなぜか下北沢や上原あたりに縁がありそうです。
私は最初千駄ヶ谷小学校の近く、その後下北沢に移った知り合いから借り出して、時々乗っていました。
前輪のタイヤをハンドルのすぐ下にあるエンジンについたゴムローラーで直接駆動する、独特の形でした。
最初エンジンを駆ける時は、ペダルを漕ぐ。
上り坂でエンジンの力が足りなくなると、ペダルを踏んでやる。自重がけっこう重かったようでした。
坂道を下る時は、ゴムローラーをレバーで持ち上げると、自転車と同じように慣性で降りることもできます。
エンジンオイルの焼けるにおいや、小さな口から出る排気のにおいを思い出します。
日本の店が上原にあるようです。
http://www.solex-japon.co.jp/
Posted by: yas @ June 23, 2003 03:45 PM

実は未だ、ガレージの奥に眠っていたのである。

SOLEX_2.jpg1975年のあの頃、急にこのソレックス原付自転車が欲しくなってしまったのである。

1970年、初めてヨーロッパに降り立った時、ソレックスはヨーロッパの風景の中で否が応でも目にする物であった。パリの目抜きだろうが田舎の畦道だろうが、どこでも、少年だろうが婆さんだろうが、老若男女をとわず、トットットッとと走りまわっておったのであった。自転車よりもソレックスを目にすることの方が多いくらいであったのだ。

1974年、ダイハツがソレックスの5000というタイプを輸入して販売した時があったのだ。もちろん、手に入れた。親友の吉松さんの帰省先に電話で一緒に買おう、なんていっていたのだから夏休みだったのかな。しかし、それは実に非力で、僕の欲しい黒くて大きくてトットットッと走るものとは違っていたのであった。その時、僕が欲しいソレックスのタイプは3800というんだと初めて知ったのであった。

そんなこんな、悶々としていたところ、急にヨーロッパ行きが決まった。

商店建築社のヨーロッパ旅行に、石川編集長が団体旅行の責任者として。君、行ってきてちょうだいというお話し、二つ返事でお引き受けして、旅行の最終地パリでソレックスを手に入れるべく手配を始めたのであった。
まず、パリ在住の妹の友達にお願いし、とにかくパリについたらご連絡して・・と全てオーライということになった。


その団体旅行の最終日パリで、一日自由行動を利用して妹の友人Mさんにお会いし、彼女が依頼しておいた自転車屋にでかける。そこの店員「これですね」と仏語でいったかどうかは知らないが、新品の Velosolex 3800 を奥からだしてきた。オプションはスティールパイプ製のエンジン周りを保護するバンパーと、警笛というかブザーを追加してもらった。

価格は5万5千円ってところだったと記憶しているが、支払いを済ませて、彼は早速分解を始める。分解のための費用は幾らか忘れたが若干、チップという感じであった。その辺りの交渉事は全てMさんがやってくださり、私は東洋人の謎の微笑だけですんだのであった。

エンジンをはずし、ホイールをはずし車体を分解、私はその逆に、日本に帰って組立なければならないのだから真剣に、その解体の一部始終を記憶に留める。
分解された部品は大きめの段ボール箱に入れ紐をかけてもらう。エンジン一式は一番頂部についたハンドルでぶらさげることにする。

タクシーでその大荷物をホテルへ持ち帰る。翌日帰国だが、空港では団体の荷物として無事機内へということになった。しかし、大事なエンジンは手荷物として手にぶら下げて税関へ向かった。その時、係のおじさんはびっくりして、裏の部屋の大勢の人達も呼んできて「こんなもんを持っていくやつがいる」っといったかどうかしらないが、皆でニコニコして、私に教えるように「ベロ、ベロ」といったのだ。
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途中で飛行機の乗り換えなんかあったりして、ちょっと心配であったが、帰国した羽田空港の荷物カウンターに段ボール箱は無事でてきたのであった。税関では「変な物を持ってきた奴がいる」という感じであったが、分解されている物は全て部品で「無税」とのことであった。羽田に出迎えの家内は呆れはてていたが、「やっぱり買ってきたのね」と言ったきりであった。

家に帰って、忘れないうちに組立てた。それも無事完了した。その後、車についていた車検証みたいな書類で、渋谷区役所でナンバープレートを申請したが、手に入れた名前が私じゃなくて妹の名前で、ちょっと苦労であったが、無事完了した。

そして念願の、トットットッと走り出したのであった。

たくさん、たくさん走った。しかし、法改正で原付もヘルメット着用に(これってバイクというより、自転車にずーっと近い乗物なのだが)なんて法律ができて・・・。ガレージの奥に、ということになってしまったのであった。

http://www.solex-japon.co.jp/
http://www.mucchi.org/solex/velo.htm/

Posted by @ June 27, 2003 09:17 AM
Comments

いいですね。コルビジェの話し。
フランスの変なところって、みんなユグノーのせいなのかな。
僕は発明家的な発想による物のあり方に大変興味があります。ソレックスもその一つです。愛好するT-34 というタンクの元祖を作ったのはクリスティというアメリカの「発明家」なのです。

Posted by: 秋山東一 @ June 29, 2003 11:10 AM

シャルル エドゥアール・ジャンヌレ・ペレー すなわち、ル コルビュジェの生まれた町、スイスのフランス国境に近いラ・ショー・ド・フォンの町は、なんと、ユグノーたちが宗教戦争に敗退して南フランスから移住して来た町だったんだそうです。
厳しい自然の中で育まれた新教の厳格な規範と、不屈の革命精神。スイスの飾り職人に時計製作技術を伝えたのもユグノー。
ル コルビュジェの父親はその時計職人だったそうです。
出典は次です:
http://www.h5.dion.ne.jp/~sujaku/itikawa/c-2.html

Posted by: yas @ June 29, 2003 01:32 AM

シトロエンの前輪駆動、トランス・アバンの伝統が、このソレックスの前輪駆動を生み出した。これはフランス独特の・・とは考えていましたが、ユグノーにまで思いをめぐらすのはすごい。
調べてみようと思います。

昨日、上原三丁目のソレックス輸入店、ソレックス・ジャパンにいってみました。僕の1975年型もレストアできそうです。

Posted by: 秋山東一 @ June 28, 2003 05:30 AM

懐かしい写真です。
少し古くなるとすぐ捨てるのは、さっぱりして気持ちがいいと思うようになって久しいのですが、やはりあれとこれを選んで、良いものはなんとかして持っていないといけませんね。
とはいえ、スペースが無いと、、、。

ところで、ソレックスは、空冷1気筒前輪駆動!!
昔のCitroen DSは水冷水平対向前輪駆動。
フランスのユグノーというひとたちの技術開発の伝統かもしれません。
独特のデザインセンスとユニークな技術的発想。おそらくそれに職人的手技があるんでしょうね。
なんで他のフランス人一般ではなく、ユグノーにはそういう伝統が生まれたんでしょう?
たしかカルバンの後継者たちでしたよね?
どこか他から移住してきた?

Posted by: yas @ June 27, 2003 11:12 PM