KODAK CAROUSEL | [ TOOLS ] |
最近とんと出番のないスライド・プロジェクターだ。
もう、私も液晶プロジェクターで、iBook と Keynote という時代だ。
1970年の大阪万博の政府館で、開催期間中の半年をフル稼働していたものである。閉幕後、使用した物品が放出・販売され、建築家・小林恒氏が2台ゲットしたものを1台をいただいたものである。
(本体に貼られたダイモには、[LAND 780419]とあり、1978年の4月19日にいただいたものなのだ。)
その後、修理したりしたが、永らく愛用していたのだ。いまだ使用可能という優れ物なのだ。
実物大 4m×4m のフォルクスハウスを建築会館のホールに建てて、その内部で二台のカローセルを交互に投影するというスライドショーを企画した。とにかく、30年前のカローセルではなんとも使えないというわけで、二台の新型コダック・カローセルを導入したのだ。
最新型のコダック・エクタグラフィックスは高性能なカローセルであった。まず光源が違う。もうハロゲン球の時代なのだ。レンズも明るくてズームという具合だ。ところが、30年前のカローセルとまったく互換性があるというのはたいしたものなのだ。円形トレイもまったく変らない規格なのだ。
カローセルって回転木馬(merry-go-round)の米語だそうだが、このコダック・カローセルという命名は、なかなかのもんだと感心したものだ。
まったく、このスライド・プロジェクターの円形トレイにスライドを収め、そのスライドが重力によって落下させ投影、終ったスライドはカムによって上に運ばれトレイに収容される。まさしく回転木馬のように回転させて順次スライドを投影していく方式は最上の方式であったのだ。
順次投影から容易に所定のスライドを投影することもでき、又、円形トレイは一つのマガジン、ファイルとして完璧な性能、簡単に編集できるし、固定すれば完全にリジットなものになるのだ。
このコダック・カローセルを優れたデザインの一つとして取り上げていたのは、ヴィクター・パパネック「生きのびるためのデザイン」晶文社1974であった。同じコダック・カローセルではあるが、ドイツコダックのカローセルの製品を称揚していた。
こんな風に優れたメカニズムをもった機械も、デジタルな力にはかなわないのだ。まぁ、写真自体が銀塩写真からデジタル化していくことによって、目に見える形、機構というものが徐々に必要のないものになっていくのは、ちょっと寂しいことではある。
松代氏が心配されているように、今までのプレゼンテーションの定番であったスライド、その大量のスライドをどう処理するのか、どう変換させ活かしていくのか、これからの課題である。さて。
Posted by @ March 2, 2005 12:15 AM秋山様、アドバイスありがとうございます。そのフィルムスキャナーの件、早速友人に伝えます。「スライドプロジェクター」、なつかしい名前です。昔近所の人が国外に仕事に行ったりするとよく自宅で映写会をやってました。
Posted by: eirakusan @ March 5, 2005 09:15 AMeirakusan こんにちは。
もう、リバーサル・フィルムをスライド・プロジェクターで投影してという時代ではなさそうです。
そのご友人の方にお勧めするのは、ご自身の作品のデジタル化ではないでしょうか。フィルムスキャナーも高性能なものが相当低価格になっています。まだ、やってはいませんが、私はそのデジタル化にてをつけようと考え.....スキャナーのカタログを眺めています。
私の知人が今、これまでにリバーサルでとった自分の作品の保管・処理方法で悩んでいるようです。この人はプロではないのですが、風景をおもにテーマにしています。この記事をその知人にも見せようと思います。
ご指摘のようにカローセルっていう命名、巧みですね。夢があります。何か久しぶりに「いちご白書」を思い出してしまいました。