041222

Travelling Gantry Crane

MECCANO

crane1_0.jpg

メルクリンのメタル metall で作ってみた。

最初に「大型可動式デジタル複写装置」の1/8の大きさでの概念模型化という意図で始め、一応の形をつけてみた。その後。その構造体に機構を付け加えクレーン、それも Travelling Gantry Crane 跨線橋型移動式クレーンにしてしまった。

crane1_4.jpg

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まず、メタル metall の最大長さの13インチ(330mm)のアングル部品を使ったガーターで、橋梁部分と橋脚を作ろうと考えた。

この跨線橋型移動式クレーンは橋梁部分は二つのガーターで構成され、そのガーター間はクレーンの懸架部分が下るため、二つのガーターを繋ぐわけにはいかないのだ。そこでガーター自体、縦だけでなく横方向にも十分強度的を持たせねばならない。
橋梁部分はアングルを2段重ね箱形に組み、内部繋ぎに同じアングルを使った。これで全長660mmの長さの梁ができる。脚も同じくそのアングルを使う。高さ330mmの高さだ。その梁と脚とを繋ぎ、同じくアングルを斜めに繋ぐ。
2本の門型のガーターと脚は赤いプレート3枚と小さなアングル2.5インチ(63.5mm)でつないだ。

クレーンを移動させる車輪のつく下部構造も同じく13インチ(330mm)のアングル部品を使った。それと橋脚を繋ぐのもアングル9インチ(230mm )を使う。そのアングルと橋梁を支えるアングルとが微妙に交差するところがカッコいい(と考えている)。外側は唯の平板として、ややオーバーな印象を与えるのを避けた。

crane1_3.jpg橋梁上部にはトロリーを走らせるレールがある。それも同じアングルを使用、橋梁の強度にも貢献させる。
トロリーの車輪と滑車はメカノ meccano の部品を使った。メタルにもこのフランジ付きの車輪はあるのだがプラスチック製なのだ。滑車は丁度いい大きさのものが存在しない。この辺り、互換性のあることの証左である。

このトロリー部分は細く小さいので部品を重ねてソリッドなものとした。その車軸にクレーンの上下動ワイヤの機構をつり下げる形をとった。その本体の真中の一枚だけ長い物を使用し駆動用のワイヤを付けられるようにしてある。この辺り、エレガントな解法(と考えている)である。

全体、緑と赤でクリスマスカラーとなった。この季節に相応しいものとなったようである。

赤と緑に塗装された部品、そして金色のボルト・ナットはクラシックな印象を与える。本家のメカノはメタルでは緑色の部品、骨組みを作る部品はジンク・メッキである。同じように作ってもずいぶんと印象が違うのである。

この跨線橋型移動式クレーン、高さ480mm、幅690mmの大きさである。


私にとって、このメタルとかメカノのような汎用組立てキットで何かものを作っていくということは、ある予定された結果を作るという事とは異なる。全てその規格部品を使って「設計」と「製作」を同時にやっているという感じなのだ。頭で考えたことをまず形にしその形を変えていく。それは作ることと壊すことを同時に進行させていくという感じなのである。

そんな作業のなかで、メカノの規格に感じるものがあった。
全ての部品に開いている穴のピッチは半インチ、12.7mmだが、これが10mmではだめ15mmでもだめという微妙な世界があるのを感じる。


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märklin METALL

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MECCANO
MECCANO CRANE 1
MECCANO CRANE 2
井深 大の[メカノ]
リートフェルトの平行定規 /2 by MECCANO

Posted by @ December 22, 2004 04:38 AM | TrackBack (0)
Comments

noz さん、コメントありがとうございます。
絵を描き物を作っている方だから、理解の深さに感心しました。
「イメージするものと実際に出現するものとのやり取りの仕方を学ぶ]っていいですね。私にとって、メカノで何かを作るということは建築で言えば、エスキースみたいな鉛筆と消ゴムをつかって作っていくみたいな感じです。Be-h@us、セルフビルドって、メカノで作るのに近いものに持っていきたい、なんて考えています。
「概念」についても鋭い。昔、子供がどうそれをつかんでいくのかを感じた時を思い出しました。彼はワーゲンとゴミ車、タクシー、パトカー。それが全て「車」というひとくくりのものなんだって自動的に学習してしまう。これが「概念」について学習したんだって思っているのです。

Posted by: 秋山東一 @ January 2, 2005 11:09 AM

メカノに触れたことのない私でも、製作の経過を興味深く読みました。
メカノで、イメージするものと実際に出現するものとのやり取りの仕方を学ぶことができるんだ、と思いました。
子供の頃の算数の授業で、10はこのくらい100はこのくらいという概念を持つ、というのがありましたが、数字に限らずそのざくっとした感覚を磨くことが、こうなんと言うのか、鋭くてかっこいい頭を作るんじゃないかと思います。
あのいかにもひんやりとして端正な形の部品の美しさにまず惹かれましたが、それからそれを楽しむ秋山さんのかっこよさにも憧れていますが、それ以上に、メカノの持つ教材としての質の高さというものに、くらっときています。

Posted by: noz @ January 2, 2005 01:20 AM

贅沢な時間を過ごされましたね!
しかも、この師走にですから、これは自分へのご褒美のように思います。
レゴでは毎日使うようなものは作れても、使えないことがわかっていますが、メカノなら毎日使えるものが可能です。
毎日使えるメカノ、ほしいですね!

12.7mmがすごく気になり始めました????

Posted by: 栗田伸一 @ December 22, 2004 10:48 AM

これじゃ 撮影できないよお ウエーン(泣)
Giant Landmap を撮影する空中三次元計測艦
LANDSHIPというノリでよろしくおねがいしますnet!

Posted by: sakamoto masaharu @ December 22, 2004 08:10 AM