040522

リートフェルトの平行定規 /2 in MECCANO

Architecture , MECCANO

rietveld_meccano_11.jpg


リートフェルトの平行定規を MECCANO(メカノ)で作ってみた。

Rietveld's drawing board in MECCANO というわけである。

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正確なスケールモデルを作るというわけではない。MECCANO の特性を活かして、そのメカニズムを再現してみようというのが目的である。

まず MECCANO の部品から適当な大きさの滑車を選んだ。小さいのが2個、中くらいのが4個である。それらの滑車の大きさでどうメカニズムを再現するのかが最大の問題なのだ。「製図板」の大きさはスケール的には小さいのだが、デフォルメしたメカニズムを強調した形で作った。

縦型の滑車を製図板下部両端に設置し、製図板上部の水平に二段重ねの大小の滑車の部分は、ワィヤの張り具合調整機構も装備している。大小の滑車によってワィヤのクロスを逃している部分は十分に再現されている。

MECCANO にはスティールワィヤの部品はない、部品としてあるタコ糸を使った。繋ぎ部分にはバネを追加してテンションを与えることにした。

定規部分は本物通りとはいかない。製図板の面(ネジ頭がたくさんある)から離して動かすように底部に仕掛けを施し、端部2ヶ所にワィヤを締めるネジ装置を付けた。

両側の下部ワィヤには重りを付けた。この重りの部品はMECCANOの時計の分銅部品である、内部に鋼球を入れて重りにしている。定規を上下する動きと共に重りも上下するのが再現できた。

製図板下部の支持脚部分は特に実物の機能を模してはいない。それなりの形でよしとした。

rietveld_meccano_2.jpgミュージアムで展示されている実物を動かすわけにはいかなかったが、この MECCANO では存分に動かすことができる。逆転する大小・上下の滑車、上下する重りの動きを観察することができる。

rietveld_meccano_3.jpgこの MECCANO model によって、リートフェルト製作の平行定規のメカニズムを十分に理解することができた。

実物を見た時、二つの重りについてこんな必要があるかなというような印象を持ったが、このモデルで重りが十分機能していることを理解することができた。

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今回のリートフェルトの平行定規のモデルには MECCANO(メカノ)の1970年代の Blue,Yellow and Zinc の No.10 セットを使った。

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五十嵐進氏のブログ MADCONNECTION の5月12日付けのエントリー「リートフェルトの平行定規の秘密・ループの法則」の原理と、このリートフェルトの平行定規の最大の特長、大小、二つの大きさの滑車を使って、ワィヤの交差を回避する機構がよく分かる。

Posted by mine @ May 22, 2004 12:05 AM | TrackBack (3)
Comments

お二人のブログで発表される新事実を、わくわくしながらみてきました。
スケッチや実測版3Dモデルもすばらしかったのですが、実際に触ることができるメカノ・モデルの撮影に幸いにも立ち会うことができ、自分で動かして、そのメカニズムを確かめることができました。
「大小の滑車によってワィヤのクロスを逃している部分」の再現は、実際に動かしてみると感動します。
メカノの部品に精通されている秋山さんならではのみごとな再現でした。
良き時代のメカノのすばらしさにも、あらためて感動しました。

Posted by: Kurita @ May 22, 2004 12:52 PM

いいですね。
A3ノビ・サイズの卓上版「リートフェルトの平行定規」が欲しいな。

Posted by: S.Igarashi @ May 22, 2004 10:48 AM