070813

Sturmey Archer 5-star

CYCLE

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Sturmey Archer スターミー・アーチャーのハブギヤ、内装5段変速機である。

私のモールトンは1992年に手に入れたAM5であるが、それに付いていたのが、このスターメー・アーチャー(ミーじゃなくてメーが一般的らしい)の内装5段変速機である。乗り始めてほどなく、壊れちゃったんじゃないかと騒いでダイナベクターで見てもらったりしたのだが、セッティングの問題(初期はワイヤが延びたりして...)だということで事無きを得たが、この複雑そうな機械は壊れたらどうしようもないと考え、スペアを用意していたのである。

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SA5_2.jpgモールトンを手に入れようと思った動機の七割方は、この Sturmey Archer 5-star にある。

内装変速機ってのは、このスターメー・アーチャーから始るのだが、何か英国的なものという感じがあるのだ。太めのハブに組込まれた変速ギヤは、外装変速機の賑やかな外観とは異なった静謐な印象がある。モールトンとなると、どうってことない外観とは言えないが、まぁ、英国的な物と言えるんじゃないかい。それに、無印の自転車にさえついている3段変速のハブギヤじゃない......5段というのも大いなる興味であったのだ。

それは十分かなえられた。あのワイドレシオの3段の中間に収まった2段、これが実に使いやすく快適であるのだ。

このスペアの Sturmey Archer 5-star はモールトンの工房のストックだったわけだから、17吋ホィール用で28穴である。製造年は1991年9月でAM5 に付いているのと同じ、注油口はなく2本ワイヤーで操作する物である。今付いているスプロケットホィールは16枚である。

本体より前に、シフターの方が壊れてしまって、このスペアに付いていた物に取換えるはめになったしまった。

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最近の内装変速機は8段とか10段、14段なんてものまであるらしいが、そんな歯車の塊みたいなものってどんなものなんだろうか。ちょっとした街乗りにAM5の Sturmey Archer 5-star はなかなか渋くていいものなのである。

私が中学生だった頃、仲間でちょっとした一日自転車旅行で小河内ダムに行った。皆サイクリング用自転車なんぞ持っていず、自転車屋で貸自転車のサイクリング用車を借りた。みな3段の変速機付きであったが、唯一、私の借りた自転車だけが BSA(British Small Arms)の内装3段変速機付きであった。その後、自転車に夢中の時代もあったが、内装変速機に興味を持つことはなく、三十数年後、Sturmey Archer に胸が騒いだのであった。


GEAR TABLE


Gear1234567
S-A 5 speeds0.670.791.001.271.50
S-A 3 speeds0.751.001.33
Shimano SG-70.630.740.840.991.151.341.55

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スターメー・アーチャーは7段変速も製品化し、モールトンにはAM7なるものが存在した。

1999年にスターメー・アーチャー社は倒産し、台湾のメーカー、サンレース社(Sun Race)に買収され、「サンレース・スターメーアーチャー社(Sun Race Sturmay Archer)」として生産拠点が台湾に移り、8段変速を開発したりして今もって健在だ。

Sturmey-Archer


aki's STOCKTAKING: The Sturmey-Archer Story

Posted by 秋山東一 @ August 13, 2007 09:49 AM
Comments

憧れの逸品でしたね『変速ギァ』の自転車(懐)...。

Posted by: たかさん @ August 13, 2007 09:14 PM