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Fat Bits

Apple

Machintosh020104L_0.gif
最初の1984年の Macintosh 自身を、バンドルされていた MacPaint で描いた。

バンドルといってもワードプロセッサの MacWrite と MacPaint の二つだけだし、英文で文書を作る必要もなかったから、最初の Mac は、もっぱらお絵描き用 MacPaint 専用というものであった。

Mac_MacPaint_7.gif


この MacPaint によって、コンピュータをどう使うのか、どう使えるのか、そんなことを考えながら、Bill Atkinson の作り出した MacPaint に夢中になったのであった。

モノクロの72dpiの世界が、9吋のモニターの中にあったのである。この MacPaint は使う人間を待たせることなく、128Kのメモリしかない Mac でさくさくと動いたのである。



mac060401.gif最初からこんな絵(というよりも画かな)が描けるとは考えていなかった。

MacPaint にはファットビット Fat Bits という機能があった。一つ一つの画素(ピクセル)を8倍に拡大してモザイクタイルを貼るような操作できるのだ。
その機能を使って Mac の裏側のコネクターがどのくらい小さく描ける、あるいは、どのくらいの大きさでコネクターが表現できるのか描いてみたのだ。縦8ピクセル横19ピクセルのコネクターでも十分にリアリティを感じることができることが分かったのだ。

それを横に伸ばして大きなコネクター、そしてコピーしてペーストという作業で描いて、というよりも組み立てていくというのが適当なのだ。
コネクターを基準にして筐体の大きさを決定し、そのディテールを部品としてファットビットで作り配置していく作業、表面はは適当なビットマップパターンを貼り付けるという作業で完成させていったのであった。

mac060401_0.gif

こんな作業の中で、コンピュータを使うということは、何事も部品を作って、それを「組み立て」ていくというのを学んでいったのである。

Bill Atkinson と MacPaint については REVOLUTION in The VALLEY に詳しいが下記のサイトで読むことができる。

Folklore.org: Macintosh Stories: MacPaint Evolution
[NerdTV] Folklore.orgから: MacPaint Evolution

Posted by 秋山東一 @ May 30, 2006 12:41 AM | TrackBack (1)
Comments

Classiclll さん、どうもです。
細部の作図精度から全体のスケールを決める.........について、「建築屋」はいつも、そんな風に考えているわけではありません。最近、とみに評判の悪い「建築屋」ですから.......。まぁ、これは、MacPaint の可能性を手探りしていた時代のものです。
この Fat Bits は初期のバージョンだけがタイル状でした。後のクラリスのバージョンではただピクセルが拡大されるだけで、大変興ざめでありました。

Posted by: 秋山東一 @ June 3, 2006 04:08 AM

私は、工学系でもソフトが中心でした(古い技術ですが)。なのでファットビットのインターフェースは【当たり前】と感じていました。
現在、Webデザイナーでもある絵描きさんとWebで親交があるんですが、彼もファットビットインターフェースの無いお絵描きツールには批判的です。(無きゃ嫌なんで自分で作る、というノリで活動されています)
話はかわりますが、私も「機械製図のための図学」は履修した一人ですが、細部の作図精度から全体のスケールを決めるというアプローチについては全く考えも及びませんでした。ここが、【理論中心の】工学屋と、【表現中心の】建築屋の違いかもしれないと改めて思いました。
画像に関するコメントを改めて述べさせてもらいます.
Good Jopb!
(モノクロ好きの工学屋より)

Posted by: Classiclll @ June 2, 2006 10:58 PM

Classiclll さん、ごぶさたしています。
MacPaint について大げさな事を書くつもりはなく、Fat bit から描き始めたことをいいたかったのです。
とにかく、どんな形でも MacPaint をユーザーとして記録しておく必要があると思っています。
数年前ですが、日本の某大手の方が当方を訪ねてこられ、特許問題で MacPaint が動くところを見せてほしいというような事をおっしゃっておられました。そんな事ってご自身でおやりになればと思い、丁重にお断りさせていただいた事がありました。

Posted by: 秋山東一 @ May 30, 2006 10:10 PM

リンク先も読ませてもらいました。「テキスト復元&再編集機能の取り外し」のエピソードは、Bill Atkinsonに対する私のイメージとおりでした。RoundRectのジョブスとの逸話は有名ですが、この話は初めて知りました。

Posted by: Classiclll @ May 30, 2006 07:32 PM