060130

アースダイビング@江戸東京地下水脈

Event , JEDI , Place

yato060128_1.jpg大体、富ヶ谷・上原界隈に30年以上いながら、20代には表参道と明治通りの交差点にあったセントラルアパートに勤めていた東事務所があったし、その後、竹下通りに事務所があったこともあるのだが、歩いても行けるこの明治神宮の鳥居をくぐったことはなかった。

1月28日土曜日の昼過ぎ、JR原宿駅の鳥居前の広場にアースダイバー達が三々五々と集まった。
五十嵐さん企画の「アースダイビング@江戸東京地下水脈」の始まりだ。総勢16名、史上初のアースダイバーズの集結だ。建築系ダイバー以外のお馴染みのブロガー達、それに masa さんのご友人達のバクテーズ系ダイバーの皆さんだ。


まずは、最初の目的の渋谷川の水源の清正井、表参道の脇から入る明治神宮御苑内にある。入場料500円だが、20人以上の団体なら300円とのこと、さてと、そこで参道で4人をゲットして無事に団体料金で入場した。

さて、円内の池をさかのぼって行くと菖蒲園の奥に清正井となるが、季節はずれの今の風景は、まったくの「谷戸」の風景が拡がっているのに驚いた。

azuma060128_1.jpgその谷戸は明治神宮の外、山手線表参道駅が横切る形になるが、竹下通りの谷戸へとつらなっているのだ。明治神宮を出た一隊は雑踏した竹下通りにダイブしたのだ。

すぐに、その喧噪を避けるように右手に入り、本来の川筋にあたる裏の小道(「ブラームスの小径」なんて洒落た名がついているような)を進む。明治通りに出て新宿方向へ、向かい側に渡って、暗渠の渋谷川に向かう。よく知っているこのあたりだが、ちょっと見ないうちにその様変わりに驚く。

「原宿陸橋」を渡たる。原宿方向から建築家協会のある建築会館に向かうお馴染みの場所だが、こんな所に歩道橋ならぬ陸橋があるのは珍しい。近くにビクターがあるせいか、プロモーションビデオの撮影なんぞでお馴染みのスポットらしい。
建築家協会の前を通り左手に折れると龍巌寺にでた。五十嵐さんの資料には、富岳三十六景の一つ、ここからの富士山が......予習ぬきの私はここの場所を初めて理解した。龍巌寺の前は鎌倉街道、千駄ケ谷方向からの坂が「勢揃い坂」とか、ここで又蛇行、塔の家へ。外苑西通りの角の「木曾アルテック社」のショールームに寄り道した。

ほどなく「塔の家」の前に到着した。私が初めてこの家の前に立った1968年、40年も前のことだ。隣の家の建て替えによって「塔の家」の一面が露わになっていた。久しぶりの「塔の家」だが、その裏手のバラックファインダーの対象となる小さな古屋を発見、私が初めてここに立ち、東孝光のスタッフとしてこの地下室に勤め、その後何度も訪問しながら、その存在に気がつくことはなかった。ずいぶんと長い時間が自分自身の物の見方まで変えているのを実感した。

ここでお一人到着、アースダイバーズは17名となる。

外苑西通りと青山通りを赤坂方向へ寄り道、吉村順三の青山タワービルをかすめる。最近のピカピカギラギラの高層ビルに比すと、何か地味なものである。
再び、梅窓院から外苑西通りを下り、青山の台地に上る。台地上の古道を進み、その先端の半島状の原地形をかすめるよう下り、ダイバー的にいえば二つの半島に挟まれ、上部に高架橋の走る笄児童公園、この辺り、五十嵐さんの事務所があり、その詳細を究める氏ならではの案内であった。


そろそろ、アースダイバーズの集団もばらけ始めたが、とにかく、根津美術館に到着、ここで午後4時過ぎ、入館時間を過ぎていた。我々の見るべき庭園内には五十嵐さん他数人が入り見学してきたにとどまった。
そろそろ日も陰り、風も強くなってきた。先を急がねばならない。

根津美術館横の坂道を下り、レーモンドの小さな住宅を通り過ぎると、二つの道が平行すると一帯に出る。この辺り、原宿のセントラルアパート時代に夜な夜な出かけてきた「桃源」なる不思議な居酒屋(昔、スナックと呼んでいた)があった。もう、そんな場所を特定できるようなものはなくなっていた。そこで、友人の乗ったタクシーが通りかかるということがあったりして、ちょっと不思議であった。
霞町の交差点に出る。
広い交差点から、あの六本木ヒルズ、そして防衛庁跡地の工事中の東京ミッドタウンが見渡される。昔、左手の坂道から千駄ヶ谷ほからの都電が走り、右手の広尾方向に走っていた。千駄ヶ谷からそれに乗って麻布の丘上のレーモンド事務所にバイトに来たものだった。

kasumicho060128_1.jpg

霞町の交差点を渡り、東京ミッドタウン方向へ向かう。途中、元米軍施設の跡地には、いつの間にか建っている公的施設がいかがわしい。東京ミッドタウン工事現場の横手を桧町公園に向かう。そこにあったのは、東京ミッドタウンに組み込まれ飲み込まれつつある元公園、それも工事中の姿でしかなかった。

もう暗く、風冷たく、足も重い。ばらばらに線上に並んだアースダイバー達は、14kmのアースダイビングを終えて、最終の「赤坂 NAGARA ながら」に向かった。さて、そこで夜の11時までになるとは想像もしていなかったのであった。

明治神宮の内部に保存されているかのような東京の原地形「谷戸」から、最後は、その遠い風景を「改革」の名の下に、民も官も破壊しつくし消費しつくしていく姿を垣間見た一日であった。


続々と、アースダイバー達のブログエントリーが集まっている。

MADCONNECTION: アースダイビング@江戸東京地下水脈
af_blog: 第三回 アースダイビング大会
Kai-Wai 散策: 第3回アースダイビング
Kai-Wai 散策: 第3回アースダイビング報告 (号外)
simple pleasure: 復習、アースダイビング vol.3
simple pleasure: 大人の遠足 アースダイビングvol.3
漂泊のブロガー2: 江戸東京の地下水脈をたどる : 第3回アースダイビング終了!
湘南国際村 じゃらん: 1/28 アースダイビング
秋葉OLの楽しみ探し: 六本木再開発と森びる天井高
秋葉OLの楽しみ探し: きょろきょろ14km
Roc写真箱: 第三回アースダイビング@江戸東京地下水脈 その1
Roc写真箱: 第三回アースダイビング@江戸東京地下水脈 その2
Roc写真箱: 第三回アースダイビング@江戸東京地下水脈 その3
秋谷日記(1月28日分)
MyPlace: 第3回アースダイビング大会
Blog版「環境社会学/地域社会論 琵琶湖畔発」: 「コモンズとしてのブログ『超入門・アースダイビング講座』」

Posted by 秋山東一 @ January 30, 2006 08:40 AM
Comments

3G さん、どうもでした。
楽しい時間をご一緒させていただいて、ありがとうございました。いろいろ、共通の話題がありそうなのに、あまりお話もできず、残念でありました。又の機会に、よろしくお願いいたします。

Posted by: 秋山東一 @ January 31, 2006 09:26 AM

いのうえ さん、どうもです。
2004年11月23日の「カフェ杏奴」でお会いしたことが、こんな形になるとは考えもしなかったことです。まさしく「ブログの力」ですね。

Posted by: 秋山東一 @ January 31, 2006 09:10 AM

GG-1 さん、どうもです。
楽しい時間をご一緒させていただいて、ありがとうございました。
あまりお話もできず、飲み過ぎ、歩きすぎ.......楽しかったですね。

Posted by: 秋山東一 @ January 31, 2006 09:03 AM

秋山さん 土曜日はいろいろとお世話になりまして有り難うございました。 <過去>を明治神宮御苑が象徴するとして、商魂たくましい梅の窓の<現代>や Mr.Blackriver設計となるバブリーな美術館の<未来>は実に・・・なんとも。と、悲観的になりがちではありますが、一方で今回のように長時間同じ状況で行動をともにするとメンバー全員に不思議な連帯感のようなものが自然と生まれてきますね。 それはこれから発展して行くチカラのもとのような気がしています。

Posted by: いのうえ @ January 31, 2006 01:36 AM

今回初参加させて頂き、充実した一日を送らせて貰いました
有難う御座います
普段あまり歩かずバイクにばかり乗って移動しているので
2日後の現在、少し足が痛い状態です
ダイビング中のみならず、「ながら」でも楽しい時間を過してアッというまに時が過ぎてしまった感じが致します
次回も是非参加させて頂きたいと心に誓いましたよ

Posted by: GG-1 @ January 30, 2006 08:13 PM

う〜ん、次回こそは参加したいです〜(T_T)

Posted by: nOz @ January 30, 2006 04:28 PM

こんにちは、今回子連れダイブ(なんか心中みたいですね~)しました3Gです。
みなさんのエントリー報告を読むにつれ、とても貴重な経験ができたことをいまさらながらに実感いたします。
本当にありがとうございました!皆様の寛大なる暖かな目に甘え、いろいろと失礼いたしました。
子供たちにとっても『大人になるのも悪くないナ』とおもえた価値ある1日になったとおもいます。
これを機に時々ブログにもお邪魔させてください。(さっそくマファックのツールSETのことが気になってしようがないです)
では失礼いたします。

Posted by: 3G @ January 30, 2006 12:43 PM

秋山さん。iGaさんの「都市が記憶を喪失する様を目撃していた訳」というコメントもそうですが、秋山さんの「小さな古屋を発見」から「ずいぶんと長い時間が自分自身の物の見方まで変えているのを実感した」とお書きになっていることに、東京に住んだことはないのですが、なんだか感動してしまいます。

Posted by: わきた・けんいち @ January 30, 2006 10:27 AM

わきた さん、どうもです。
ご参加いただけず残念でありましたが、これから、いろんな方が新しい企画を作ってくださると思います。
五十嵐さんへの返信に書きましたが、今回のルートは「江戸東京地下水脈]という大事なテーマでありましたが、東京の過去現在未来を見せてくれるというルートでもありました。それなりに私にとって親しい場所でありましたが、この変わりよう、「さて、東京はどこに......」と思わせるものでありました。

Posted by: 秋山東一 @ January 30, 2006 10:18 AM

五十嵐さん、大変大変ご苦労様でありました。
資料作りから専心せられ、本当にありがとうございました。私、予習を忘れて、かえって行程をじゃましちゃったみたいで申し訳ありませんでした。今回の行程、東京の過去現在未来を横断するような、ちょっと他に考えられないようなすばらしいものでしたね。

Posted by: 秋山東一 @ January 30, 2006 10:09 AM

shin さん、どうもです。
ご参加いただけず残念でした。それも最後は、shin さんにとって大事な場所を占拠してしまったのでありました。

Posted by: 秋山東一 @ January 30, 2006 10:05 AM

秋山隊長。こんにちは。今回参加された皆さんのブログを拝見しながら、興奮していま~す!!長年の憧れの建築である「塔の家」、この角度から拝見すると「ああ、塔の家だよ~(T0T)」とますます感激してしまいます(個人的な感動ですが)。さて、今回の「第3回アースダイビング@江戸東京地下水脈」、大成功だったようですね~。このような企画が、今後も続くことを期待しています。おそらく、普段14kmも歩くことはあまりない方のほうが多いので、まだ少し心地よい(?)疲労感が残っているのではないでしょうか(^^;。「赤坂 NAGARA ながら」も、5時間も楽しめるということは、“時間がたつのも忘れる”ほど楽しかったということなのだろうな~。

Posted by: わきた・けんいち @ January 30, 2006 09:49 AM

青山には80年代から90年代に掛けての10年間と、70年代の高木事務所にいた5年間の内、4年を過ごしました。ですから、屋敷町から商業地へ、そしてバブルの地上げと都市が記憶を喪失する様を目撃していた訳です。

Posted by: iGa @ January 30, 2006 09:26 AM

参加出来ず残念でした。明治神宮の谷地なのでしょうか、この写真。武蔵野の基督教大学の谷地(野川公園)や富士重工の三鷹大沢工場の谷地とそっくりです。渋谷川の清正井やこんな谷戸が都心のど真ん中、興味つきないアースダイブです。

Posted by: shin @ January 30, 2006 09:23 AM