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イノベーションのジレンマ

BOOKS

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イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
Harvard business school press

著者: クレイトン・クリステンセン Clayton M. Christensen
監修: 玉田 俊平太
訳者: 伊豆原 弓

ISBN: 978-4798100234
出版社: 翔泳社
価格: 2,100-円(税込)

本書は読もうという気がないのに……、自分の手元にあるという物で、早く忘れてしまいたいとまで思っていたものなのだ。どうしてかと言えば、このような本の体裁をしていない状態……、kindle 版を持っているのだ。

kinddle をいじっていて、amazon が奨めてきたこいつを……私の誤った操作で購入してしまったという苦い体験があり、読む気もなかったのだ。

ところが、「面白い本」に取り上げられているのを発見……、急に読む気がでてきたのである。私も人の推奨に大いに弱いのである。

とにかく、書名そのまま「イノベーションのジレンマ」を最初に提唱したビジネス書で、あえて読もうとしない本ではあるのだが、その実例として取り上げる世界が面白く読めるのだ。


目 次

日本版刊行にあたって
謝辞

序章

第一部 優良企業が失敗する理由

第一章 なぜ優良企業が失敗するのか
    -ハードディスク業界に見るその理由-
第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション
第四章 登れるが、降りられない

第二部 破壊的イノベーションへの対応

第五章 破壊的技術それを求める顧客を持つ組織に任せる
第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
第七章 新しい成長市場を見出す
第八章 組織のできること、できないことを評価する方法
第九章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
第十章 破壊的イノベーションのマネジメント-事例研究-
第十一章 イノベーションのジレンマ-まとめ-

『イノベーションのジレンマ』グループ討論の手引き

解説
訳者あとがき


まぁ、マネジメントについては何とも分からないのだが、大いに興味のわく読書であったのだ。

そう言えば、廉価にして大容量のハードディスクを手に入れたばかりだが、そのハードディスク業界の栄枯盛衰……、パーソナルコンピュータ以前のミニコンなる存在の消滅、建設機械において、油圧シリンダーの登場がワイヤー駆動の機械をどうして駆逐してしまったのか……、私にとっては技術史として読めるのが面白かったのだ。

技術革新、イノベーションがどう我々の世界を改変してしまうのか……、デジタルカメラの登場は、イノベーションの代表であったポラロイド社を滅ぼし、写真業界の巨人コダック社をも滅ぼしてしまった。今、話題の3Dプリンターの躍進は、我々に何をもたらすのか。


Posted by 秋山東一 @ April 15, 2013 09:02 AM
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