未来のつくりかた Audiで学んだこと | [ BOOKS , Car ] |
まぁ、「未来……」も「Audi……」も抽象的な話のオンパレード……で、ちょっとがっかりだ。これだけの力量の人物であれば、もっと具体的、即物的な話で語れるのではないかと思うのだが。いわゆる、車のデザイナーに期待しすぎだったのかもしれない。
具体的な話は、デザイナーなる前の話ばかりで……あった。抽象的な話で物を作が作れる訳ではないのだが、皆、抽象的な話を語るのが好きなのだ。Audi を辞めて独立、新しくデザイン事務所を開いたというちょっと宣伝っぽい一冊なのだ。
手にしてから表紙のオレンジ色の丸が、シールであることに気がついた。「休日に読みたいビジネス書/世界が認めたデザイナーの本」とある。まぁ、出版社の戦略、本書がデザイナー志望の学生や車マニアだけでなく、広くビジネスマンに買ってもらいたいという希望……、後からシールを貼ってビジネス書として売りたいという企みなのだ。
第1章 現在(アウディで最後のプレゼン-ドイツで喝采を受けたその「思い」/力のビジネスと草食系-強は弱を制しない、大は小を兼ねない/ベンチャー維新-東京オートサロンに行って ほか)
第2章 過去(横浜田舎育ち-私にはもう観えている/ドイツ製品への思い/Sony design ほか)
第3章 未来(普あまねく/「壁」の崩壊-22世紀への第一歩/「美しい奇跡」-新しいモビリティと暮らしのデザイン ほか}
おわりに グランドデザインの意義
最近の Audi は Mercedes, BMW の二強に追いつき、存在感を増して三強……となっている。それは、「AU……」でエントリーした、あの顎が外れたかと思ったフロントグリルのデザインが大いに貢献しているに違いない……と、私は思っているのだ。
本書の中で、著者は学生の質問に答えている。
最近の Audi 独特のフロントグリルは、シングルフレームグリルと呼ばれ、あの Auto Union Type C のフロントグリルがモチーフとなっているとのこと……であった。
具体的な話は、やっぱり、面白い。
玉井さん、どうもです。
拙文に挑んでいただき……それも二つのエントリーにまたがってお読みいただき恐縮です。
たしかに、グリルの大きさはその後ろのエンジンの大きさを想像させ(Auto Union Type C のグリルの後ろにはエンジン本体はありませんが)……というのがマッチョな印象を与え……それが人気ということのようです。まぁ、その辺りがデザインというよりもスタイルと呼ばれる所以のように思えます。
Auto Union Type Cのエントリーに跳んで読みました。そのとなりに「ふにょふにょ」というエントリーがあったのでなんだっけこれはと思って開いて、秋山さんご自身のコメントを読みました。コメント記入ができなくなってるので、ここに書きますが
「照明器具と蛇口にいいデザインというものはない。なぜなら、そこに必要なものは「光」と「水」なんであって、器具と蛇口が必要ではないからね。」という吉村順三のことばになるほどと思ってしまいました。
クルマにとってフロントグリルは、蛇口と似ていますね。だから「必要なのはエンジンを冷やす空気であってグリルじゃない」という方向に来ていたのを、またもとに戻ってみようとしたのがあの「どうもなあ」なデザインなのですか。わたしはサーベルタイガーを思い出しました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/スミロドン
kawa さん、どうもです。お待ちいたしておりましたです。
私も昔、すごく速いくせにすごく大人しい外観の Audi に乗せてもらった事があります。しかし、顔がね……という感じでありましたです。
まぁ、本書にはその辺りの話を期待したのですが、一般的な高邁なお話しでいっぱい……でありましたです。
ベンツやBMWに挟まれて、見栄を張らない世界を生きて来たVWグループが俺だってでかいツラの出来る看板が欲しい。
ここ10年程のアウディブランドにそんな仕組みを感じるのは私だけでしょうか。以前のアッパーミドル狙いというよりはベンツと張り合う気十分に見えます。去年凄く高いアウディにほんの少し載せてもらいました。
ひっくり返る程、良く出来た車でした。でも全く欲しいとは思いませんでした。
秋山様には秋山様のご感想があると思います。
私感に傾き過ぎました。
たかさん、どうもです。
まぁ、皮肉も休み休みにね。まぁ、誰も抽象的な話の方が楽……ではありますね……。
ご無沙汰しております。
秋山さまの「文」を拝見させていただき、いろいろと「学んだこと」があります(笑)。ありがとうございます。