星のみえない夜 | [ Art/Design , BOOKS , THINK ] |
四六判の丁寧に布装された黄色い本だ。
「星のみえない夜」と題されたその本は、本文108頁、一頁ごとに、山と森、植物の画、そして手描きされた文によって構成されている。
氏は「森林官」というお仕事なのだ。
● 中部森林管理局
宗亭氏は多才な方なのだ。森林官のかたわら、絵画を好み、ご自身自らそれを為すという方なのだ。
この「星のみえない夜」は2000年に自費出版されたものだが、その一頁毎、一枚一枚の画文がどんな始まりだったのか、8号の「200字と一枚の絵」に書かれている。
おりにふれ考えていたことを原稿用紙にまとめ、絵を一枚ひきずり出してそえる。
これを「月一回のミニコミに」という話にのって去年(1987年)の秋から続けている。「何でもいい」とは言われたが、行動範囲も狭いので対象はもっぱら仕事で行く山、休んで行く山。
何を感じてもらえるか悩んだときもあったが「月に一度の短い手紙」と思ったらふっきれた。200部のミニコミの続く限り、ネタ切れにならないよう、あちこちの山を歩くつもり。
そして、その「月一回のミニコミに」が100号となった記念に、「星のみえない夜」として出版なさったのだ。
その風体(失礼)に似ず、その観察は細やかで優しい。森、そして自然への愛に満ち満ちているが、ご自身の職能、その仕事である林業、そのあり方への見方は鋭く、厳しい。
本書の書名「星のみえない夜」は、上の100号の「営林」の文からとられているのだ。
宗亭正治氏を知ったのはつい最近のことだが、私が小学生の頃、師事した洋画家・喜多村知先生、その奥様からのお電話で知ったのであった。それも、宗亭氏が住宅を建てるにあたっての相談.......ということだったのだ。
後で知ったのだが、喜多村知先生は宗亭氏の先生でもあったのだ。まぁ、私が兄弟子、宗亭氏が弟弟子ということになるのかな(失礼)。そしてこの本をお送りいただいたというわけなのだ。
ところで、宗亭正治氏の住宅の話は、ずいぶんと昔からの計画だったのだ。
氏がOMソーラーの住宅を見学したのは、奇しくも阪神・淡路大震災の前日だったとのこと、そんなこんな、氏はOMソーラー・フォルクスハウスをずっと注視してくださったのだ。
宗亭正治氏は飛騨の産、そして安曇野に住む。氏は現在の住み家を「飛曇荘(ひずみそう)」と呼んでおられる。これは白洲次郎と白洲正子の「武相荘(ぶあいそう)」からなのだが、もちろん、「歪み」がでている現況を笑っておられるのだ。
近々、新しい「飛曇荘」の計画が始まる。OMソーラー、Be-h@us の計画だ。もちろん「歪み」でることなく.......である。
この「星のみえない夜」のコンテンツは、新しくブログという形で蘇ることとなった。
● aki's STOCKTAKING: Blog・飛曇荘