050720

Tube

Art/Design , TRANSPORT

tube_0.jpgclick!

「ロンドン同時多発テロ」で急に脚光をあびることとなったロンドンの地下鉄だ。

僕が最初にヨーロッパ、ロンドンに行ったのは1970年だった。

この本は、その時手に入れたものだが、地下鉄の車両の本という、ちょっとマニアックなものだ。もちろん、古い本だから.....と思ったが、そう簡単にシステムは変らない、あの頃と何ら変わりない車両が走っているのだ。

ロンドンの地下鉄には2種類の車両が走っていた。その頃の感じでは、「蒲鉾」型と「釣鐘」型だ。最近の写真でも2種類の車両が走っているようだ。
ロンドンの地下鉄は TUBE チューブと呼ばれるが、その名称そのもの、それは「蒲鉾」型の車両が走る路線、それは「気送管」という感じのものなのだ。

TUBE の車両の大きさは、東京・大江戸線の車両が小さい小さいと言われる以上に小さい。もちろん、トンネルの車両限界からくるものなのだが、まさしく、チューブにぴったりの大きさなのだ。

あまりに小さいから、その出入口は車両の屋根にまで巻上っている。出入口を入った途端、床は斜路、真中の通路部分まで傾斜がついている。床はその時の車両は木製、溝の切ってあるデッキという感じである。車両の左右の座席は深々とし、アームがついたもの、通路部分もせまく、一応、吊り革(これも握り玉というべきか)がついている。あんな小さな車両の中で爆発なんてこと、ちょっとぞっとする。

ロンドンの地下鉄のシステム、その案内図から、駅頭の案内図のデザイン、その表示、ロゴ、その全てが Frank Pick (1878~1941) によって作り出された。

● Design for London Transport

エントリー「PUBLIC TRANSPORT」の著者 Christian Barman も Frank Pick 率いる LONDON TRANSPORT にいた人なのだ。

1970年の夏のロンドン滞在の足、地下鉄 TUBE は最上の公共交通機関と考えた。
それ後、ヨーロッパから北米とどの都市に行っても、地下鉄があれば地下鉄に乗ってきたが、その考えはゆるぎないものだ。

残念ながら、1970年以降ロンドンにはトランジットで空港にちょこっといた以外、行ったことがない。

● London Underground homepage - Transport for London
● London's Transport Museum
● Carter's Unofficial Guide to the London Underground
● ロンドン / チューブ(地下鉄)


追記 050801

現在、ロンドンの地下鉄・バスを運営する London transport では、初期の「Johnston Underground」を進化させた、「New Johnston」を駅名表示・標識・ポスターなど、各種印刷物の全てに使用している。
その「New Johnston」は、日本人フォント・デザイナー河野英一氏が手がけたものなのだ。

● New Johnston


Posted by 秋山東一 @ July 20, 2005 10:42 AM | TrackBack (0)
Comments

今回のエントリーでは、Frank Pick について注目して欲しいと思ったのです。
私の知る限り、専門の世界ではレイナー・バンハムの著作で記述されているだけではないかと思うからです。
日産のロゴは、きっとロンドンの地下鉄のロゴの模倣と思います。ちょっと情けないけど、そんなもんなんでありましょう。

Posted by: AKi @ July 21, 2005 09:36 PM

・ロンドンのチューブに大きなイギリス人がのっているのは、なんだかミニのハンドルにイギリス人がおおいかぶさる様子と同じように、微笑ましい感じがして大好きです。だから、ブックマークバーの「電車・列車」というフォルダーに上のリンクをみんな入れましたが、みんな入れるんだったら、このエントリーから入ればいいのかもしれないと気づきました。でも、せっかくだからそのままにしておきます。
・ところで、田中宇のサイトにロンドンの爆破事件のさまざまな説が書かれていました。どれもありそうなはなしです。
http://tanakanews.com/f0719London.htm
・日産のロゴマークとチューブのロゴが似ていると思うのですが、日産がイギリスに工場をつくったりしたこととかんけいがあるのでしょうかね。

Posted by: 玉井一匡 @ July 21, 2005 11:19 AM