030601

BARRACK

BARRACK finder

LANDship/STOCKTAKING/030428

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「バラック barrack 」って、辞書には「兵舎、兵営」、それ外に「一時の間に合わせに建てる粗末な家屋」とある。ここでのバラックってのは、もちろん、後者のバラックだ。

散歩の途中、一生懸命探しているわけではないのだが、突然それは登場する。

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このバラックは東京都下八王子市の路上で見つけた。まともな(それもやや疑問だが)矩形の奥行きのある2階建の店舗の後部に増築されたものだ。ブリキの波板の外装、無造作に積まれたブロックの柱状の架構、垣間見えるダクトらしき設備装置、囲われた内部には階段が入っていると考えられる。
以前、このサイトで報告したことがある「井の頭通りの家」と同じような状況、その周辺部が取り壊され、取り残された一画ということなのだろう、建物がなくなり駐車場になって、このかっこいいバラックが人の目にさらされるようになったのだ。

バラックはカッコいい、美しい。

それは、それを作る過程、考える過程がその表面に直接表現されているのだ。最終的な形態もなにも意図されていない、そして、そこに在ったであろう材料と、あくまでも即興的に、自由自在、自由闊達な世界があるのだ。又、あるデザイン的な意図をもって何物かを作ろうとしたのではない。予定調和を目指したものではない。その即興の結果、最終的に辻褄を合わせようともしていない。率直、直裁に必要としている物をつくりだしたのだ。

なぜカッコいいバラックが存在するのか。

1)度重なる増・改築によって原形を留めることなく変質したもの。
2)セルフビルド等により、世間一般の約束事、および一般的な考え方手法を超越したもの。
3)それが仮設物として、いい加減な程度で良しとする確信犯的に意図され施工されたもの。

僕はこの手の形態の建物が好きなのである。
このサイトの STOCKAKING にも

010829「小諸のアースキン」
020704「鳩小屋」

とバラックな構築物についての記述がある。

バラック barrack、これは美しいと思う。
それらバラックから設計のレトリック、その手法を学ぼうと思う。その論理考え方を深めていきたいと考えている。

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「バラックな建物」というサイトを作ろうと考えている。
これはたくさんのバラック探索者・研究者に参加していただいて、自らが探しだしたバラックを発表していただいて、参加者全員でその理論と手法を分析しようと試みである。

乞うご期待。

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Posted by @ June 1, 2003 08:56 PM | TrackBack (1)
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