030602

旋盤 / 2

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LANDship / STOCKTAKING / 020823

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また、旋盤である。

まだ旋盤がやってきたから半年もたっていないが、もう既に事務所の一画は町工場然としてきた。


まずは卓上ボール盤が設備された。

これも中国製、あまりにも廉価なのに驚いた。ネットで手に入れたが 9,000 円台という価格である。しかし、ちょこっと使ってみて、チャック(ドリルをくわえる部品)が価格相応というのが分かった。

ボール盤自体のスピンドルの精度はなんら問題ないので、より精度の高いチャックをネットで探した。国産のチャックで価格送料込みで 9,000 円は本体の値段と一緒というところで、なんだ本体とたいして変らないじゃないかという価格であった。

国産のユキワ精工という有名メーカー製で、見るからに立派なチャックである。この本体には身分不相応なチャックであるが、精度はチャック一つでこんなに良くなるかと思った。

なんだか旋盤があって、ボール盤というのは順序が逆って感じだが、でも、そんなものかもしれない。「なんだかボール盤って欲しい」って感じのものではない。「必要で」って感じな物なのである。


旋盤は面白い。

面白がってアルミや真鍮の丸棒を三爪チャックにくわえて削る。あーも削り、こうも削り、ちょっと恐い思いもしたり(バイトの高さ調整を怠ってバイトを折ったり)、でもまだまだバイエルのうちなのだ。

一度加工した材料を加えなおして、再加工なんてことになると三爪チャックの限界である。最初とは芯ずれ(コンマ・・だが)して思うようにはいかないのだ。そうなれば、やはり四爪チャックを急遽購入ということになる。

しかし、四爪チャックでの芯だしにはダイアルゲージが必要、それも購入、旋盤工への道はなかなか物入りなのである。

まずは、教科書「ミニ旋盤を使いこなす本」にある芯だし用丸棒、真鍮の丸棒の両端を加工して製作する。その丸棒を加工物の芯と芯押し軸にわたし、その上にゲージ針一回転で 1mm、 一目盛り 0.01mm のダイアルゲージをのせ、チャックを回して針が動かなくなるまで4つの爪を調整する。これもまた、まだまだ練習なのだ。

金属を削る刃物、バイトを固定する部分、刃物台にもすぐに不満を感じてくる。刃高の調整をいちいちやるのが面倒なのだ。それにはクイック・チェンジポストという便利なアクセサリーがある。これは刃物台を分割して、高さを調整装置のついたバイト固定部分と、本体に固定する部分と分け、バイト固定部分を簡便に交換するだけで作業にかかれるのだ。

うむ、これは便利だ。しかし何故、こんなにここが高いのだ、何故、こんなにバイト固定ボルトが少ないのだ。

ここから、初めて旋盤で作業する、最初の仕事というべき作業が始るのだ。


●そんな話しをメールした。
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旋盤って面白いですね。
旋盤って「マザーマシン」とか云われていてる「母なる機械」なのですが、その旋盤を使ってやる最初の仕事がその旋盤自体の改良ということになるのが面白いですね。
クイック・チェンジポストというバイトを簡単に取替え可能にする部品を改良してしまいました。なかなか良くなりました。鉄なんかだって、もぅ、削るのは恐くないですよ・・・。
「マザーマシン」とは「マシンを製作するマシン」のことを指します。それが「母なる機械」なのですね。
自分で自身の部品を作って自分自身を改良しちゃったり、極端なことを云えば自分で自分自身を作って、「自己増殖」することもできちゃうんですね。

●畏友、玉井一匡さんからメールをもらった。
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be-hausと旋盤には通底するものがありますね。シンプルな要素でひとつの世界のすべてを作ることができるときに感じる秋山さんの気持ちよさ、とてもよく分かります。すごくうらやましい。
シンプルな要素で、環境に完璧に適合するものたちの複雑なシステムを作ってきたのが自然だったのですから、be-hausの目標は、環境に適合しながらいずれは自己増殖するようになって、自然のシステムのようになることなのでしょうね。

そんな風に意識的に考えてきたのではないのだが、玉井さんの指摘をうれしく感じた。
そう、そういう世界を作らねば。そう意識的に進めねばと考えた。

Posted by @ June 2, 2003 04:01 AM | TrackBack (0)
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