030602

鳩小屋

BARRACK finder

LANDship/STOCKTAKING/020704

hatogoya.jpg

Be-h@us の Be/606/BOX を考えている。
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この Be-h@us は増沢恂の「最小限住宅」のリメーク、3間角の9坪の家、それを Be-h@us に翻案したものだが、全体としてはずいぶん違った印象を与える。リメークの先達「スミレアオイ・ハウス」とも異なっている。メーターモジュール、土間を外に追いだした玄関の下屋、南面のバルコン、そして屋根の上に乗っかったOMソーラーの三角屋根が大きな違いだ。
どうも、僕の気にいっている部分、やや間が抜けた愛嬌を感じさせる部分が、屋根の上に乗っかったソーラーの集熱面の三角屋根なのだ。あのオリジナルの印象とは大きく異なっているのだ。それは、意図したものであるのだ。
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今、進めようとしているベーシックな Be-h@us プロジェクトではオプションと考えている部分だ。このOMソーラーの三角部分は、ずっと「鳩小屋」と呼んでいた。鳩を飼う為の「鳩小屋」、「ウサギ」でも「豚」でも、それは「小屋」の仕事なのだ。これを「ソーラー小屋」とでも呼んでみよう。
そう、「鳩小屋」のように屋根の上に乗っかった一要素なのだ。
それは「物干し台」とか「物見台」でもよかったのだが、なぜ「鳩小屋」なのか。昔(15年も前の昔)に行った台湾、そこで見たアノニマスな住居の記憶に起因している。コンクリート造の2階建の矩形の箱の上に、その屋上に給水装置と思しき高架タンク、そして仮設的な屋根、そして「鳩小屋」が付いていたのだ。その時、これは「鳩小屋」付きのシトロアン( CITROHAN )ではないかと思ったのだ。
緑濃い台湾の田園風景の中にル・コルビジェの量産型・工業化された住宅シトロアンが並んでいるのだ。それも大部分が「鳩小屋」付きのシトロアンなのだ。
この写真は昨年、那須で見かけた「鳩小屋」である。私にはとっても魅力的な物なのだ。下は物置、廃品のロッカーのドアを外壁としその通風口がいかにもデザインされたような印象を与える。ありきたりの青い波型鉄板、アルミサッシュ、そして上部の鳩小屋で真骨頂を示す、寸足らずの波板の外壁と屋根、そこには金網が張られ、そこが鳩小屋なのだ。どういう機能のためか定かではないが、鳩小屋の特長である出窓風の出っ張り、もちろんガラスではなく金網である。
もちろん「小屋」はセルフビルドの世界だ。それは、それを作る過程、考える過程がその表面に表現されているのだ。最終的な形態もなにも意図されていない、そして、そこに在ったであろう材料と、あくまでも即興的に、自由自在、自由闊達な世界があるのだ。
この設計者は、あるデザイン的な意図をもって何物かを作ろうとしたのではない。その即興の結果、最終的に辻褄を合わせようともしていない。率直、直裁に必要としている物をつくりだしたのだ。
僕は、これは美しいと思う。
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Be-h@us にたくさんのオプションとしての「小屋」を作るのはどうだろうか、もちろん「鳩小屋」でも「ソーラー小屋」でも。
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「小屋」自体をセルフビルド・DIYする Be-h@us のシステム、良いかもしれない。それを [Be小屋project] と呼ぶのはどうだろうか。
すでに「無線通信小屋」という計画も進行中だし、 [Be小屋project] になればいいのだが。
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Be-g@rage という「自動車小屋」ガレージをセルフビルド・DIYする Be-h@us のシステムの開発も進行中である。

Posted by @ June 2, 2003 01:20 PM
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