「でん八」50周年 | [ BOOKS , Event ] |
先月……11月30日、西新宿の京王プラザホテル・錦の間にて「でん八」50周年の記念パーティが賑々しく開かれた。
もちろん、いつもの吉松眞津美翁、五十嵐進氏、佐賀井尚・大川良平の諸氏と一緒だが、藝大建築同期の片山和俊氏、小畑俊成氏、落合庸人氏も現れ……、なんとも「でん八」同窓会の趣なのだ。
しかし、そんなお仲間の話だけではなかったのだ。
それは、引き出物として頂いたこの書籍「新宿でん八物語」にあったのだ。
新宿の「でん八」、「あにき」である故松尾昭次郎氏、「あきちゃん」の松尾明弘氏の二人の兄弟が作り出してきた。
その「でん八」がとてつもなく大きくて深いネットワークだったことを思い知らされたのだ。
本書の裏表紙に書かれた文言でそれは充分であろう。
「いまは亡き、あの梨元勝レポーターや、いかりや長さん、安岡力也、井上大ちゃんなど……みんな「でん八」仲間だった。いま明かされる「でん八」五十年の歴史とエピソード!」
やぁ、「日本戦後サブカルチャー史」と重なり合うような新宿酒場文化の50年に驚くのだ。
それは、この松尾兄弟の人間的な魅力でしかないのだ。
それも今回初めて知るところなのだが、その原因を作り出してきたのが、藝大建築の一年下の後輩、平瀬宣彦氏にあるらしい。今回、行方不明のままの彼から、北朝鮮からの祝電が期待されたが……それはなかった。
私が、「でん八」と親しくなったのは、松尾兄弟と昵懇の藝大建築同期・故永田昌民氏との関係でだ。
「でん八」の青山店の内装設計をし、その後、「傳八」と名前を変えた三原橋の銀座店の内装設計をした。そんな中で、松尾兄弟には親しくしていただいたのだ。
それは新宿を離れて、青山・銀座と新しい時代の「でん八」の時代であったのだ。
このパーティにご一緒した五十嵐さんもブログに記事を書かれている。おう、そういうことであったのか……、いろいろ分かってきたのである。
あの三原橋の銀座「傳八」も既にない。