SFを実現する | [ BOOKS ] |
氏自身が云っておられることだが、FabLife から二年、さらなる思考の深化として本書がある。
今、「モノづくり」の世界は急速に進化しつつある。3Dプリンタに代表されるデジタル工作機械とインターネットによって、SF、空想科学小説の話題でしかなかった「物質遠隔転送」や「機械としての自らを生み出す機械」等々が、ある意味……、現実化しているのだ。まさしく、表題のままなのだ。
しかし、氏は表題のSFは二重の意味を持たせている。
Social Fablication という意味を重ねてくるのだ。ファブリケーションをあえて「こしらえる」という大和言葉をあてる。Social Fablication は「みなでこしらえる」という世界なのだ。
今、ネットでつながった我々が、こしらえること……、その全体像を解き明かしていくのが本書なのだ。「3Dプリンタはまだ序章でしかない!」
第1章 SFとFAB --空想から現実へ
第2章 メディアとFAB --情報から物質へ
第3章 パソコンとFAB --「つかう」から「つくる」へ
第4章 地域・地球環境とFAB --グローバルからグローカルへ
第5章 「ものづくり」とFAB --工場から工房へ
第6章 デジタルとFAB --そして「フィジタル」へ
第7章 日本とFAB ー過去と未来をつなぐ
リアル・バーチャリティ あとがきに代えて
「偶然の一致」について
謝辞
表題にある「3Dプリンタの想像力」……、「想像力」こそ Social Fablication 「みなでこしらえる」という世界に必要なことなのだ。
Posted by 秋山東一 @ June 15, 2014 06:14 AM