FLAT HOUSE LIFE | [ Architecture , BOOKS ] |
FLAT HOUSE LIFE
米軍ハウス、文化住宅、古民家……古くて新しい「平屋暮らし」のすすめ
著者: アラタ・クールハンド
ISBN: 978-4123902380
出版社: マーブルトロン/中央公論新社
価格: 1,995 -円(税込)
本書は、その米軍ハウスや、古貸家、文化住宅など、東京都下に残る賃貸平屋住宅を FLAT HOUSE と呼び、その空間、そこでの生活を「住むアンティーク」として紹介している。
全部で17例が多くの写真によって語られている。それらの、様々、隅々の写真や、シンクからタイル、照明器具等々の細部に至るまでの写真、解説満載である。
事例の一つ一つを「……邸」と紹介しているのは、ちょっと恥ずかしい。まぁ、「邸」とは対局の空間、生活が FLAT HOUSE LIFE だと思うのだが。
栗田さんのお住まいの米軍ハウスには何度も伺っているが、その敷地と平屋の建屋との関係は独特なものがあった。
広い敷地に小さな平屋、栗田さんはそこで356を2台に日常車を2台、4台をおいておられたと思う。そして、便器、洗面台を備えるバスルーム、玄関のない土足前提の平面は単純明快だ。
CHRONOFILE のこのエントリーで、これらの米軍ハウスが Dependent House デペンデントハウスという物であることを知った。
● CHRONOFILE: デペンデントハウス 1
● CHRONOFILE: デペンデントハウス 2
本書の帯の写真のハウスは、[CASE 4] の福生の岩本邸だ。この正対写真が著者あるいは編集者のお気に入りだったのであろう。栗田さんの CHRONOFILE には友人とあり、その岩本さんのブログが本書を知るきっかけとのことだ。
● non tanto: FLAT HOUSE LIFE 正誤表
iwamoto さん、こんにちは、大変ごぶさたいたしております。
栗田さんにお聞きしたところ、仙川のフォルクスハウスを見てくださったとのこと……お会いしたのは、もう10年以上前のことですね。
この FLAT HOUSE LIFE は、栗田さんの家で垣間見たハウスでの生活を、多くの方々が享受なさっているレポートとして貴重なものですね。私は岩本さんはじめ、そのように「空間」を活かして生活を作っていく方々の為の空間を作っていきたい……と改めて思いました。
「邸」のことは、まぁ、他人の家についての尊称ということなのでしょうが、「……邸新築工事」なんて図面を作ってきた者としての反省です。あまり「邸」していないのに、そう呼ぶのに抵抗があるのです。
Dependent という聞きなれない単語に対して、Independent なる単語を思い浮かべるのは当然のような気がします。独立しているのと独立していなくて……ですから。
本書の「フラットハウス」ってのは不思議な言葉ですね。本書の中心をなす「ハウス」こそ題名に反映されたならと思います。いわゆる平屋を FLAT HOUSE と呼ぶのは、平目を FLAT FISH と呼ぶがごとし……ですね。
Posted by: 秋山東一 @ December 4, 2009 10:29 AM秋山先生、超が付くほど久しぶりでございます。
福生の岩本です。
仰るように「邸」は笑っちゃいますよね。 しかし、ほとんどの家のほうが「邸」が
不似合いな部分もあり、ハウスの方が、それらより「マンション」であるところが、
この言葉を引き出しているのかもしれません。
あさって、取材された側と、著者と、編集者が会しますのでその辺の意識を探ってこよう
と思っています。
DependentとIndependentの意味は、ちょっと違うかと思われますので、先生のご説明を
伺いたく思います。
それから、この著者がいうところの、フラットハウス(彼の意味では平屋)と、
重層の家、例えば二階屋との建築上の違いを、どの辺りに考えていれば良いのか、
簡潔な説明を頂ければ幸いです。
KURITA さん、どうもです。
もっと前にちゃんと栗田さんのハウスを研究しておけばよかった……なんて今ごろ思っております。栗田さんの家だという感じでいたから……いつまでも、いつでも……あるって感じだったですよね。
iGa さん、どうもです。
私も今回初めて Dependent House なるものを知った……というか意識したのですが、栗田さんのエントリーは2005年だし、ずっと前から言っていたということですから、ずっと以前に知っていてしかるべきものなんですよね。
小泉和子氏の本のカバーにも紹介があるように、Dependent House(デペンデント・ハウス)の意味は(以下書籍より抜粋)、
敗戦の日本占領下における将校軍人層の占領下における「家族用住宅」を指す。このデペンデント(扶養家族)という用語は、さかのぼればアメリカ西部開拓の歴史からすでにあったという。戦地、占領地であっても家族はともにあるという、家族の絆、生活の原点を実践するシステムともいえる。
と、あります。
私の場合、Independentとしてあの空間での生活を楽しむことができました。
はぁ〜...Dependent Houseと言うのですか。
Dependent Houseで迎えるIndependence Dayとか...
akiさんちの向かいの社宅も...デペンデントハウス...
ん〜masaに独立住宅である「……邸」の対局ですね。