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チェ・ゲバラの記憶

BOOKS

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チェ・ゲバラの記憶

著者: フィデル・カストロ Fidel Castro
監訳者: 柳原 孝敦

ISBN: 978-4862560117
出版: トランスワールドジャパン
価格: 1,890-円(税込)

本書は、カストロがチェ・ゲバラについて語ったり書いたりしたものを集めて英訳し、米国の出版社が一冊の本にまとめた「Che: A Memoir by Fidel Castro」の邦訳だが、それだけのものではない。その英語版に即して、スペイン語の原文を集めてキューバで出版された「Che en memoria de Fidel Castro」を基に、ラテン語圏専門の外語大の准教授・柳原孝敦氏が監訳し「カストロの口調の独特の味」を活かしたものになっているんだそうだ。
本書に収録されている多くが、追悼式典の挨拶、テレビ演説、インタビュー記事であるから、それはとても大事なことに思われる。

チェ・ゲバラについての書籍は多々あり、今回の映画 CHE の登場によって書店の片隅にコーナーなんぞができて脚光を浴びている。その中でも、ゲバラ本人の著作以外では、チェ・ゲバラの革命の盟友であるカストロが、彼について語る本書は特別のものにして..........特別なものであるように思える。

チェ・ゲバラ、フィデル・カストロの二人を知るキューバ革命の中心人物ヘスス・モンタネの序文から始まり、1965年から2003年まで、時間軸にそってチェ・ゲバラについて語ったカストロの言葉がある。


目次
序 文  フィデルとチェ —ヘスス・モンタネ
第一章  チェの「不在」について —1965年10月3日
第二章  ボリビアでのチェの死亡を確認する —1997年10月15日
第三章  チェ・ゲバラ追悼 —1967年10月18日
第四章  必要不可欠な序文 —1968年
第五章  『ボリビア日記』の出版に関して —1968年7月4日
第六章  チェ再考 —1971年、チリ
第七章  「私はいまでもチェの夢を見る」 —1987年
第八章  チェの没後二〇周年に寄せて —1987年10月8日
第九章  社会主義の預言者、チェ —1992年
第十章  チェ・ゲバラの遺骨の帰還 —1997年10月17日
第十一章 比類なき人格 —2003年、アルゼンチン

監訳者あとがき
エルネスト・チェ・ゲバラについて
フィデル・カストロについて


本書の冒頭には、16頁にわたってチェ・ゲバラの写真がある。Che: A Memoir by Fidel Castro 「チェ・ゲバラの記憶」にふさわしい構成なのだ。チェ・ゲバラを忘れない.......キューバ革命を忘れない........オジさんの書棚にこそ相応しい一冊なのだ。

Posted by 秋山東一 @ February 13, 2009 05:32 AM
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