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旧赤星鉄馬邸 / 2

Architecture

akaboshi_101_0.jpg吉祥寺の旧赤星鉄馬邸、現在のカトリック・ナミュール・ノートルダム修道女会の修道院である。
先月17日、Shin さんのご手配により、その敷地内に入り、又、建物内部もつぶさに見ることができた。

aki's STOCKTAKING: 旧赤星鉄馬邸

その際、撮らさせていただいた写真でレポートしたいと思う。まずは内部、階段まわりだ。

akaboshi_109.jpg玄関内部の写真である。RC造二階建ての本体とは別に平屋の形の玄関の天井は低く抑えられている。

邸宅の玄関としても小さく、天井も低く、ドア高は天井いっぱいである。
木製ドアの仕上げは生地であるが、戦後、米軍に接収されペイント仕上げされてしまったものを、再生されたとのことだ。

家具は何もないが、温水と思われる暖房用ラジエーターが設備されている。

akaboshi_101.jpg外から望める建物の円筒形の部分にこの階段が収まっている。

そのU字型の階段は優雅な曲線は、単純なUというよりも開いている部分がやや締まり、馬蹄型という形状をしている。その為、左手階段脇に空間ができている。スティール製の手すり、天井も優雅な曲線、曲面でおさめられている。

玄関土間と玄関ホール床と間には段差がある。現在は使われていないが、床框及び天井框には建具が入っていた形跡がある。何も改変されていないから、当初より下足・上足は区別されていたようである。

しかし、階段の蹴上げを見ると一段目が他の段より低いのはどんな経緯があったんだろうか。もしかすると設計当初は土足のまま使用するという計画だったのではなかろうか。

akaboshi_102.jpgこの階段は、図面を読み解くと主人専用の階段であるらしい。これを上がると、主人の寝室と付室の和室、寝室付きの居間にでる。
一階の居間・食堂以外は、和室、それに続く夫人寝室、後は子供部屋と倉である。

この階段の段板部分の黒い部分は、厚手のリノリウムである。大理石をリノリウムが入る分だけ削り込み、丸面の段先、さらにノンスリップの溝を切り込んだ一体の大型リノリウム板をはめ込んでいる。「この当時はリノリウムが大いに流行った」と奥村先生夫妻の解説があった。

akaboshi_104.jpg中廊下と階段である。南側は夫人寝室、子供室の居室だ。居間と食堂とは床レベルが異なり、オリジナルでは階段二段なようだが、現状は斜路で上がるようになっている。二階に上がる単純な直線階段だが、1階部分の端部を少々曲げてあり、ちょっとお洒落だ。

この階段脇の開いているドアは厨房、その奥に木造で複数の使用人室がある。
先の玄関・階段は主人・来客専用で、この北側に内玄関や来客用受付や運転手控室というような諸室があったことが図面から想像される。


Posted by 秋山東一 @ December 3, 2007 12:45 AM
Comments

iGa さん、どうもです。
その件、Wikipedia で確認してましたが、国際文化会館がレーモンドの弟子達の.......というところが面白いですね。なんだか因縁話みたいで。

Posted by: 秋山東一 @ December 3, 2007 10:46 AM

そういえば赤星鉄馬は米国から食用としてブラックバスを生態系が自立している芦ノ湖に移入した人物なんですね。レイモンドの弟子達の設計による鳥居坂の国際文化会館は旧赤星邸のあったところとか...。

Posted by: iGa @ December 3, 2007 07:52 AM