071009

iPod touch /impression

iPad/iPhone/iPod

ipodtouch_301.jpg [+] 立ち上げ時の地球の写真に代えて、壁紙は自分の仕事の写真にしてみた

刻印入りの iPod touch を手にしてから一週間余り、あーでもないこーでもないと各機能を使ってみた。出来る事、出来ない事、この道具がどんな可能性を持っているのかを考えてみたいと思った。


本体には、ハードウェアとして二つのボタンがあるのみである。
上部左側の電源ON/OFFのボタン、そして iPhone と同じくの下部真中の表面から凹になった丸形のホーム・ボタンである。その他のボタン・スイッチの類いは全てソフトウェアの仕事である。

まさしく、サンテグジュペリの「設計者というものは、付け足すものが何もなくなった時ではなく、取り去るものが何もなくなった時、初めてそれが完成したことを知る。」という言葉そのものだ。

その二つのボタンを押す以外は、全て、画面に表示されているアイコンを、タップ、フリック、ピンチと名付けられた操作を「直感的」に為すだけで、機能するのは驚異的なものだ。こちらのやれること、指先でできることという限定と、間違いようのないグラフィックによってその操作に導かれていくのだ。
その取扱いに何の説明もいらない。それはの既知の操作であるように思われ、既視感さえ感じるのだ。

これは、あのリチャード・ドーキンスがコンピュータについて語った「.......それは押すべきボタンをもち、ハイファイ・セットのようなスライド・コントロールをもっている。しかしそれは仮想機械である。ボタンとスライダーは金属やプラスチックではできていない。それらは、画面上の図であり、あなたは画面上を仮想的な指を動かして押したりスライドさせたりするのである。.........」を、より進化させたものだ。もう仮想的......ではなく、まさしく本物の自分の指で操作するのである。

iPod touch は最高の IPod とだ...というのは本当だ。まさしくタッチするという操作、そして Cover Flow に代表されるグラフィカルな効果はすばらしい。音楽を聴くこと、写真やムービーを見ること、それらを操作することはこの上もない楽しみだ。Wi-Fi 搭載によって可能になった YouTube、iTunes も又、新しい可能性を見せてくれるものだ。

そして Safari こそ iPod touch の今後を作り出す最大のものだ。
Mac でお馴染みの自動的に Wi-Fi を探し出し接続する。サイトの表示も美しく、タッチによる操作もスムーズだ。パスワードやコメントの入力枠をタップすれば、たちまち拡大し、仮想キィボード登場とよく出来ているのである。
しかし、キィボードは URL やパスワード入力の為であるかのごとく、日本語入力キィボードがありながら、メーラーが付いていない.......Apple 自慢の Mail が付いていないのは画竜点睛を欠くというべきか。まぁ、Web mail という手はあるのだが..... iPod touch の本来の可能性を出しているとは思えない。それは、iCal、アドレスブックと同期するカレンダー、連絡先なる機能も iPod touch 上で書込みできるのは連絡先だけという中途半端なものだ。
iPhone からデチューンし過ぎという感じなのだが、その全てはソフトウェアでできている。大いなるバージョンアップを期待したい。

 ● iPod touch は iPod かそれとも iPhone か « maclalala


この iPod touch は電話ができない、付いていないということは iPhone との一番大きな違いだが、それはメリットでもある。
iPod touch の最大のアドバンテージは電話会社、キャリアのヒモ付きではないことだ。無線なのにヒモ付きとはこれいかに....というところだが、使うにあたって使用料を取られるわけではないし、契約期間にしばられることもない。

iPod touch は Wi-Fi のあることを最大限使えるお道具であって欲しいと思うのだ。


追記 071009

上でリンクした「藤シローのアップル・ウォッチング maclalala」の一つ前に「iPhone SDK はなぜ出ないのか」という記事がある。iPhone のSDK(software development kit:ソフト開発キット)が出てこない理由は唯一、「みんな Leopard 待ち......」にあるということなのだ。

これは全てに言えることなのであろう。もちろん、iPhone の弟とも言うべき iPod touch のソフトウェアについても同じ事が言えるのではないか。Leopard が完全にリリースされ、Leopard の機能がすべて公開された時点で、新しくなった Leopard ベースのアプリケーションとなって iPod touch も違ったものになるのではないだろうか。

 ● iPhone SDK はなぜ出ないのか « maclalala

今月10月26日と言われている Leopard のリリースが、ますます楽しみになってきた。


Posted by 秋山東一 @ October 9, 2007 03:00 AM
Comments