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宮本常一—「忘れられた日本人」を訪ねて

BOOKS

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宮本常一—「忘れられた日本人」を訪ねて
別冊太陽 日本のこころ 148

編集: 別冊太陽編集部

ISBN: 4582921485
出版: 平凡社

定価: 2,310-円(税込)

先日、府中市郷土の森博物館で開催された「宮本常一の足跡」と題する特別展は宮本常一生誕100年記念事業であったが、本書の刊行も同じく生誕100年記念だそうだ。

aki's STOCKTAKING: 日本人の住まい

本書は別冊太陽というムック版の誌面を活かして、宮本常一本人が記録した写真を含めた、たくさんの大きな写真によって、民俗学者・宮本常一の生涯と業績が紹介されている。表題に「忘れられた日本人」を訪ねて......とあるように、宮本常一の旅、生涯16万キロ、4000日にもの旅を追体験させてくれるものなのだ。

本書は宮本常一が残した膨大な著作、資料、そんな世界へのグラフィカルなインデックスの役割を担うのではないか、と思えた。


目次
宮本はわれわれに何を託したのか 佐野眞一
周防大島に宮本常一を訪ねる 印南敏秀

日本を想う旅—宮本常一の軌跡
 ・島に生まれて
 ・島から大阪へ
 ・恩師に出会う
 ・日本の文化を訪ねる旅
 ・道を、水を、食糧を
 ・現代の世間師誕生
 ・伝えたもの、残したもの

〈人物コラム〉
柳田國男—民衆の生活史を起こした思想家
渋沢敬三—ノーブレス・オブリージュの意味を知る男

宮本民俗学を解く—宮本常一の感覚・世界観
 ・宮本写真をどう読むか 戸田昌子
 ・耳のある情景 赤坂憲雄
 ・偉大なる栄養学者 幕内秀夫
 ・土の輝き、四季の匂い 須藤功
 ・宮本常一、最晩年の断章 村崎修二

移動する日本人—『日本文化の形成』のもたらすもの 後藤明

旅程/旅のあしあと《I》〜《IV》
地図/宮本常一の旅 1〜9
著作/本文に関連する著作ガイド

宮本常一略年譜
関連施設紹介 周防大島文化交流センター
執筆者紹介


冒頭の「旅する巨人—宮本常一と渋沢敬三」の著者・佐野眞一の「宮本はわれわれに何を託したのか」に、今に生きる宮本常一が語られる。
「..............日本列島を抱きしめるように歩いた宮本の圧倒的な実践の前では「美しい国」づくりの掛け声は空疎な寝言にしか聞こえない。
..................そのとき、宮本の活動は未来を照らす、ほのかな期待の明かりのように見える。」

Posted by 秋山東一 @ August 7, 2007 06:23 AM
Comments

たまたま、このようなものを『発見』しましたです。もうご存知かもしれませんが...(笑)。

http://www.towatown.jp/database/

Posted by: たかさん @ November 22, 2007 12:25 PM

たかさん、どうもです。
周防大島って、こっちから行くには広島からJR山陽本線大畠駅下車して、陸路バスで行けるらしいですね。今度、機会を見つけて行ってみたいと思っています。

Posted by: 秋山東一 @ August 8, 2007 11:05 AM

neon さん、どうもです。
私も数冊の宮本常一を読んだにすぎませんので、なんともでありますが、彼の撮った昔の写真も含めて、彼の成した仕事を思い起こさせられます。

Posted by: 秋山東一 @ August 8, 2007 10:56 AM

『周防大島』なんて親近感を感じましたです。

Posted by: たかさん @ August 7, 2007 09:06 PM

「忘れられた日本人」というのは、とても心に響きますね。恥ずかしながら、私は宮本常一の膨大な仕事のほんの片鱗しか知らないのですが、それでも大変惹かれるのです。是非入手して読みたいと思います。

Posted by: neon @ August 7, 2007 08:14 PM