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伊丹十三の本

BOOKS

一昨日の武蔵野美術大学公開講座2007・建築講座 「伊丹十三記念館」の仕事 で、設計者・中村好文氏がご自身を「伊丹十三フリーク」と言っておられた。1970年武蔵美の建築学生時代に最初に読んだ伊丹のエッセイ「女たちよ!」「ヨーロッパ退屈日記」等々に大いに影響を受けたことを語っておられたのだ。

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伊丹十三の本

編集: 「考える人」編集部

ISBN: 978-4104749010
出版: 新潮社

定価: 2,310-円(税込)

そういえば、当方も伊丹十三のエッセイを耽読、多くの理屈を学んでいた。もうすでに、自分で考えてしまったと思うくらいの.....ものなのだ。スパゲッティ、目玉焼きの食べ方から始って、帽子が発明されてからは頭髪が無くなることは気にしなくていいんだ.....というような高度の知識まで伊丹から学んでいたのだ。モノンクルでは「ディスクール」だって勉強しちゃったのだ。

そう言えば、2005年出版の「伊丹十三の本」家内の本が手近にあった。
腰巻きに「ぼくの叔父さん」はこんな人だったー。とある。そう、伊丹を知らない人.....がたくさん..... の時代なのかも。

本書は伊丹十三の映画監督としての仕事以外、その全てが収められている。


目次
album1
 「カアチャン風邪を引かさぬ様にして呉れ」伊丹十三の幼年時代、少年時代、青年時代
album2
 湯河原の家
his favorite things
 ぴたりと決まればうれしい 伊丹十三の愛用品 I
review
 伊丹十三のエッセイとは何だろう?
interviews
 エッセイスト伊丹十三を語る インタビュー集
films
 映像作品もエッセイである
essays
 こんなエッセイも書いていた
memories
 私の伊丹十三讚
his favorite things
 つねにそこにあるもの 伊丹十三の愛用品 II
 行きつけの店 伊丹十三の「おいしいもの」
design
 デザイナー、伊丹十三  ポスター。装幀、レタリング
letters, drawings
 書いた手紙、描いた絵 伊丹十三の筆跡

 伊丹十三年譜
 「感謝の会「における挨拶 宮本信子
 伊丹十三著作リスト


本書の「私の伊丹十三讚」182頁に中村好文氏の「伊丹十三の季節」という、氏に伊丹十三のエッセイはいかなる影響を与えしか........なる一篇がある。

ところで、本書の続きのように、映画監督として伊丹の本「伊丹十三の映画」が今年2007年5月に発刊されていた。
早速、amazon に注文したのだ。

 ● aki's STOCKTAKING: 伊丹十三の映画


Posted by 秋山東一 @ November 16, 2007 01:35 AM
Comments

Shin さん、いらっしゃると思っていたので、ちょっと探しました。
きっと、ko-bun より ryo の方が.....と思い納得でありました。いつもの皆、集まった九人で、先日お連れいただいた「西安.....」で飲んで食べて楽しみましたです。

Posted by: 秋山東一 @ November 16, 2007 08:40 PM

cen さん、どうもです。
VW が静かに胎動し始めた兆候をキャッチして、静かに聞き耳を立てておりますです。
伊丹十三の映画監督以前のエッセイは、今の叔父さん達に大いに影響したのは、このコメント欄でもあきらかでありましょう。ぜひぜひ総....であります。

Posted by: 秋山東一 @ November 16, 2007 08:33 PM

akiさん、いかれたのですね
伊丹十三にははまりました。パスタの食べ方、ジャガーの読み方、ルイヴィトンなるメーカーの存在、岸田秀という楽しい心理学者の存在......
きりがありません、僕のなかの近代化かもしれません。

Posted by: Shin @ November 16, 2007 06:39 PM

秋山さん、ご無沙汰しております。何かおもしろい本はないかと退屈しておりましたところに、ドンピシャリでございます。早速、伊丹氏の本を総なめ致します。映画「家族ゲーム」での半熟目玉焼きの食べ方しかり、湯舟につかってのパック牛乳ストロー飲みしかり、車中における相手に威圧をかける方法しかり、と数え上げるとキリがありまcen。。ビートルもまだ眠っておりますです。

Posted by: cen @ November 16, 2007 06:11 PM

miles さん、どうも、ごぶさたしています。

伊丹十三のスキャンダラスな死から十年、やっと、それを克服して、彼の意味が再構築されているようですね。記念館の開館もそうですが、著作はみな文庫で手に入るし、映画もDVDで.......というわけで、若い世代に、こんな叔父さんががいたのか......と受け入れられるのでありましょう。この「伊丹十三の本」「伊丹十三の映画」はそのインデックスの役割を担っているように思えます。
あの方も一三から十三へと改名されるのでは.....と想像しております。

ところで、記念館には彼の最後の愛車ベントレーが展示されているようですが、なぜベントレーなのか、英車好きではない私には分かりません。

Posted by: 秋山東一 @ November 16, 2007 09:47 AM

秋山先生、ご無沙汰しております。
かきのき村です。
伊丹十三は私も、筋金は入っていませんが
かなりのフリークだと自負しているところです。
著書は青少年の頃より読み漁っておりました。
活躍の範囲が広範にわたっておりすべてを網羅しきれて
いませんが、底知れぬ探究心と知識の
深い井戸をお持ちの方でしたね。
松山の中村好文さんの記念館には年が明けたら行こうと
目論んでいるところです。

ところで、伊丹さんといい阪急・宝塚創始の小林さんといい
某創作所の方といい一三というお名前の方は偏狂的かつ
とどまらぬ探究心旺盛な方が多いような気がするのですが・・・・

Posted by: miles @ November 16, 2007 08:30 AM