060916

狛犬かがみ

Art/Design , BOOKS

石原秀一さんのバナナブックスのシリーズの一つ、Japanesque ジャパネスク・シリーズ、「手拭いづくし」の次は、この「狛犬」の本だ。

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狛犬かがみ A Complete Guide to Komainu

文・写真: たくき よしみつ


ISBN: 4902930048
出版: バナナブックス

定価: 1,700-円(税込)

狛犬って神社の拝殿の前に、向かい合わせに置いてある石彫の犬のことだ。
本書は、「狛犬に対しての世間一般の思い違いは数多いが、その最大のものは、「どれも同じようなもの」という先入観だろう。狛犬の世界を知るための第一歩は、その先入観を捨て去ることだ。.........」で始まるのだ。
そこで見せられる狛犬の顔、まずは30の狛犬の顔、どれ一つとっても同じものはなく、そのユニークさ、その豊かな表情に圧倒されるのだ。

いやー、とにもかくにも、すべて狛犬の本だ、こんな造形があるのかといいたくなるほど、「狛犬」が並んでいるのだ。
そもそも、「狛犬」という造形物が市井の職人の作であることが、その価値を低めて見られていることを怒っている筆者 たくきよしみつ(鐸木能光)氏が、ここにいるのだ。


目次

第1章 狛犬ほどバラエティに富んだ造形物はない
第2章 狛犬の起源と「はじめ狛犬」の魅力
第3章 狛犬の歴史と種類
第4章 もうひとつの狛犬・狼像
第5章 戦争と狛犬
第6章 アートとしての狛犬
第7章 寅吉・和平の奇跡


狛犬ネット (狛犬・こま犬・こまいぬNET!)


このジャパネスク・シリーズ、刊行されたのはまだ二冊だが、その解説文には全て英訳文がつけられ、完璧なバイリンガル本となっているのだ。そのシリーズ名 Japanesque の通り、日本文化を多くの人に知らしめることになるであろう。それも、この「狛犬」のように、日本人のわれわれにとってもマイナーな造形物が紹介されていくことを歓迎したい。


追記 061105

本日、11月5日朝日・朝刊の読書欄の「著者に会いたい」に、「狛犬かがみ」の著者・たくき よしみつ氏が登場した。玉井さんの MyPlace でも「狛犬かがみ」の記事がエントリーされた。

MyPlace: 狛犬かがみ


Posted by 秋山東一 @ September 16, 2006 02:53 PM
Comments

秋山さん、わきたさん、ありがとうございます。版元の石原です。一年三ヶ月ほどもかかった本がやっとできました。途中、私も駆け出し狛犬ファンになり、出張の折など必ず神社をのぞくようになりました。鐸木さんが、狛犬に呼ばれたことがあるとおっしゃっていましたが、私も石川県七尾市で呼ばれました。不思議です。では、狛犬をお楽しみください。

Posted by: 石原秀一 @ September 21, 2006 12:25 PM

わきた さん、どうもです。
たくきよしみつ さんって、おっしゃるように大迫力の方のようですね。盛岡より南、福島におられるようですね。

Posted by: 秋山東一 @ September 19, 2006 03:54 PM

秋山さん、こんにちは。TBとコメント、どうもありがとうございました。たくきよしみつ(鐸木能光)さんのサイトは、すごい迫力ですね。このバナナブックス/Japanesque ジャパネスク・シリーズに、どのようなテーマが続いていくのか、期待しています。

Posted by: わきた・けんいち @ September 18, 2006 11:43 AM