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Schneider Vol.15

Mag , TRANSPORT

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Schneider Vol.15 「シュナイダー15」
HUMAN AND AIRCRAFT STORY OF AVIATION ADVENTURE


ISBN: 4777004562
出版: ネコパブリッシング

定価: 3,000-円(税込)

グラフィカルな大判の飛行機雑誌 Schneider シュナイダー だ。
この本に登場する飛行機は皆プロペラがついている。まだ、飛行することが冒険だった時代、そんな時代の飛行機の本なのだ。

Vol.15 の表紙は第二次世界大戦時の英国空軍戦闘機スピットファイアだ。最も美しい戦闘機スピットファイア........やぁ、僕もそう思うよ。

ところで、本誌の一コラムに協力させていただいたのだ。この STOCKTAKING のエントリー「羽田飛行場 /1939」の若き日の父が撮った写真がお役に立ったのだ。

「Benito Mussolini 大和号とムッソリーニの贈り物」という題のコラムだ。著者は山崎明夫氏、戦前の日本航空機史についての複数の御著作がある。

1939年12月23日、三菱双発一型「大和号 (JーBEOC)」は、イタリア・ローマへ親善飛行に羽田飛行場を出発し、30日ローマ到着し歓迎うける。、その親善目的を果たした後、翌年1940年1月23日に出発地、羽田に帰着した。
その親善飛行の搭乗者は笹川良一、まさしく、1937年の日独伊防共協定の元、ムッソリーニ率いるファシスト党との親善、1939年9月はナチスドイツのポーランド侵攻、世界は第二次世界大戦に向かっている時代であったのだ。
その親善飛行を記念してムッソリーニから贈られた鷲の大理石像が、日本航空協会の航空クラブに現存しているそうだ。コラムの最後に「ムッソリーニのファシズム」としてムッソリーニの人となり、彼の美意識が語られている。

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羽田飛行場 /1939」のエントリーをご覧になった山崎明夫氏より、7月末にご連絡をいただき、秋山喜世志の1939年12月20日の羽田飛行場での写真を掲載していただけることになったのだ。本誌上では秋山喜世志が喜代志と誤植されているのは残念だが、70年近くも経った写真が、今生きることをうれしく思うのだ。父も喜ぶに違いない。

父は三日後の12月23日にイタリアに親善飛行に飛び立つ「大和号」の撮影が目的で羽田飛行場に赴いたと思われるが、誰(父が撮影し、父を撮影した人物)と一緒に行ったのか.........彼が生存中に聞いておけばよかったのだが、今では残された写真だけが.....その時の事実だけを語っている。


山崎明夫氏のご著作である。amazon にリンクしてある。

幻の高高度戦闘機 キ94—B‐29迎撃機の開発秘録 (単行本)
神風—朝日新聞社訪欧機 東京‐ロンドン間国際記録飛行の全貌 (単行本)

Posted by 秋山東一 @ September 6, 2006 12:36 AM
Comments

栗田さん、どうもです。
山崎明夫さんからは、他にその頃の飛行機の写真はありますかと尋ねられたのですが、父の興味は写真自体にあり、飛行機にはそんな興味はなかったようで、飛行機の写真はこれだけです。
彼が一生所属した写真の世界、昔の小西六、今のコニカミノルタも写真事業から手を引くという時代、そんな時代に彼の写真が役に立って、彼も喜んでいるのではないかと思います。

Posted by: 秋山東一 @ September 6, 2006 11:03 AM

以前から話していただいていたお父様の写真がシュナイダーに掲載されましたね。昨日は、夕方のNHKのニュースで神風号のロンドン到着の様子を記録したフィルムがご家族により博物館に寄贈されたことを知りました。
どちらの記録も撮影されていたことそのものが貴重なのですが、こうして公開されてこそ、意味のある記録になるのだと思います。

シュナイダーは1998年の創刊号からの読者ですが、大戦機が好きではない私は、レーサー機や記録機が特集されているときだけ入手してきました。ちなみに創刊2号はGee Bee R2の特集でした。この本は創刊以来、その定価が上がる一方ですが、安価で提供されないということは、やはり日本ではマイナーなジャンルのままなのでしょう。

Posted by: 栗田伸一 @ September 6, 2006 09:23 AM