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真壁智治氏「芦原義信賞」受賞

Architecture , BOOKS

若い世代へ向けて「家とは何か」を伝える叢書「くうねるところにすむところ」の最初の一冊「オキナワの家」を紹介した。その後、叢書として順調に出版され、いつのまにか12冊に、その十二冊目の「向こう三軒両隣り」を紹介したばかりだ。

この叢書を企画立案し、それを実施された真壁智治氏が、その功績にたいして、「第二回 武蔵野美術大学建築学科 芦原義信賞」を受賞された。すばらしい。

「武蔵野美術大学建築学科 芦原義信賞」は、武蔵美建築学科が登場した際の初代主任教授、建築家・故芦原義信名誉教授の教育への情熱、意志を受け継ぐべく作られたとのことだ。

真壁智治氏は1969年武蔵美・建築学科を卒業、在学中より「遺留品研究所」なる組織を結成し、独特な都市サーべイによって、先駆的な都市分析を行ったのである。私が最初に氏の名を聞いたのは1972年の「商店建築増刊 /現代建築手法百科」の筆者の一人としてであった。その氏が、このように優れた企画を起こし、このように高く評価されたのを喜びたい。


くうねるところにすむところ−子どもたちに伝えたい家の本−

01・家ってなんだろう・ 著:益子義弘
02・家のきおく・    著:みかんぐみ
03・オキナワの家・   著:伊礼智
04・家族をつくった家・ 著:芦原太郎
05・集まって住む・   著:元倉眞琴
06・物語のある家・   著:妹島和世
07・地球と生きる家・  著:野沢正光
08・みちの家・     著:伊東豊雄
09・中心のある家・   著:阿部勤
10・素材の実験・    著:隈研吾
11・家と土地をうけつぐ・著:更田邦彦
12・向こう三軒両隣り・ 著:田中敏溥

Posted by 秋山東一 @ February 10, 2006 08:34 AM
Comments

この度、真壁さんの記事をブログに書かせていただきました。
トラックバックいたしましたので、よろしくお願いいたします。

Posted by: オズボーン @ May 29, 2006 05:39 PM

秋山さん。「建築に対する閉塞感」ということ、大切にしたいと思います。URBAN という言葉に、ポジティブな意味を付与しようとされたのですね。それから、「なんでコンペイトウ......」なんですが、私だけではなくて、多くの人が「あれっ?」となるのではないでしょうか。URBANとコンペイトウ。なんだか、一般には不思議な組み合わせですよね(^^;)。「本人達に聞いてみましょう」>秋山さん。すみませ~ん!!そんなつもりではなくて、単なるツブヤキだったんですけど。ごめんさない。

Posted by: わきた・けんいち @ February 16, 2006 11:27 AM

わきた さん、どうもです。
「アーバン」はあの頃の流行りみたいなものです。あれから TAU がでてきますが、これ又、TRANS-ARCHITECTURE & URBAN なわけですから。何か建築に対する閉塞感を URBAN なる括りの中で解放しようとしていたような気がします。
「なんでコンペイトウ......」まぁ、本人達に聞いてみましょう。

Posted by: 秋山東一 @ February 16, 2006 06:13 AM

秋山さん、こんばんは。
コンペイトウや遺留品研究所の皆さんとは少し年齢が違うようですね。『アーバンファサード』はもちろんのこと、真壁智治さんの『アーバン・フロッタージュ』や大竹誠さんの『アーバン・テクスチュア』等も読んでみたいと考えています。こうしてみると、みんなカタカナの「アーバン」がタイトルに入っていますね。ところで、なんでコンペイトウなんだろう…?

Posted by: わきた・けんいち @ February 15, 2006 09:32 PM

わきた さん、こんにちは。
私は真壁さんや、コンペイトウよりやや年上で、彼らがそんなこんなしている時は、すでに実務(東事務所のスタッフでした)でしたので、直接一緒に遊んだわけではありません。中谷さんがどんなことをお書きになっているのかわかりませんが、コンペイトウはよく知っています。
彼らは私が芸大の4年生(関西風に4回生)の時、1年生でありました。なんせ、芸大建築科は一学年十数人しかおりませんから、皆よく知っています。
コンペイトウのメンバーは松山巌、井出建、元倉眞琴の三人です。その活動は元倉の著書「アーバンファサード」にまとまっています。

Posted by: 秋山東一 @ February 15, 2006 03:29 PM

Akiさん、こんにちは。「くうねるところにすむところ−子どもたちに伝えたい家の本−」シリーズ、面白い企画ですよね~。はやく、Akiさんのお書きになったものも読んでみたいです。さて、このシリーズを企画された真壁さんは、お若い頃に、面白いことをされているのですね。ネットを数珠繋ぎ的に情報をたどっていくと、「遺留品研究所」の話しにたどりつきました(^^)。中谷礼仁さんの文章です。その文章で気になったのが、「芸大の学生によるグループであるコンペイトウのアーバン・ファサード収集」と、「武蔵美大の学生による遺留品研究所の方法論」です。60年代末期から70年代にかけて、当時、建築を学んでいた学生の皆さんがさんがされていたことに、興味津々です。明日、この話題で、拙ブログにアップしようと思っています。

Posted by: わきた・けんいち @ February 15, 2006 02:32 PM