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Red & White

Art/Design , TOOLS , TRANSPORT

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道路工事現場に紅白の棒があった。円錐形のコーン同士をこれで結んで、工事現場の立ち入りを制限したり、歩行者を誘導したりする遮断用の棒(コーンバーというらしい)、道路工事の定番だが紅白の縞とは珍しい。

今までは、この写真の中にも一本だけ混じっているが、黄黒の棒が普通だったような気がする。

ずいぶんと前だが、踏切の遮断機の棒が、無理に渡ろうとするダンプカー等に壊されるという話があり、ドイツから堅牢な遮断機の棒を輸入するという話があり、その棒が紅白でなんたらかんたらという話があった。
その結果なんだろうが、『「紅白」の踏切棒で事故遮断 規制緩和で黄黒から自由化  asahi.com 2003年1月9日』というニュースがあった。JR東日本が踏切の遮断棒を紅白の縞模様に変えたら、4地点で変更したところ、それまで年平均で11.6本が折られていたのが、設置後は3.9本になった、んだそうだ。

日本国では長年、遮断機の棒は黄と黒に限られていた。2002年の規制緩和でやっと鉄道各社が色を自由に決められるようになったんだそうだ。それが自由化というのか「紅白化」ということになったのだ。
国内の遮断棒や警報機の色は、戦前は白と黒が一般的で、黄が使われるようになったのは戦後からで、旧運輸省は1981(昭和56)年に私鉄に対しても「黄と黒の交互塗装にすること」と通達しているんだそうだ。JRについても旧国鉄から民営化された1987年、同じく「黄と黒」が鉄道営業法に基づいて告示されていたのだ。

メルクリンの鉄道模型なんぞに親しんできた人には当たり前のことだが、欧米では遮断棒は赤と白の縞模様が一般的だ。

日本国では白黒、黄黒との変遷はあるが、日本の風土では一番目立つとか特別な実験結果によって決定とか、そんなもので選択されたものではないらしい。どう考えても紅白が一番目立つのは間違いないと思うが、根拠のない色が、官僚のお達しだけで、使われ続けていたのであった。
きっと、事故防止の役割を担う遮断機の棒は、日本国では「弔事の白黒」「慶事の紅白」を避けてタイガース・カラーに決めたいという、土俗的な理由によって決定されたのであろう。

その傾向は、この道路工事用の遮断用の棒、コーンバーにまでやってきたようである。

Posted by 秋山東一 @ December 13, 2005 09:14 AM
Comments

コーンバーの話じゃないのですが
先日アメリカ大使館の近辺を歩いていて気づいたのですが
赤いコーンが並んでいて・・・
商品名がユニコーン。よくできた話でしょ。
この商標があいているとわかった時の
担当者の喜びを思うとニコニコ。

Posted by: りりこ @ December 17, 2005 10:31 AM

aneppe さんって、こういう類のものがお好きですね。
日本人にとって「紅白=お祝い」というのが、すりこまれているんですかね。
プラットホームの非常スイッチなんかも紅白縞々になったりして、ずいぶんと進化しているみたいですね。

Posted by: 秋山東一 @ December 13, 2005 06:38 PM

とてもおもしろい!

紅白のコーンバーを検索してみると、
お祝いイベント用みたいにかいてありますね。

Posted by: aneppe @ December 13, 2005 05:37 PM

タイガース・カラーは特に夜間では目立ちませんね。昔、高島平に住んでいたころ、遊びにきた友達二人が夜遅く駅までの帰路で車道と歩道の境に張ってあったタイガース・カラーのロープに気付かず、足を取られて二人とも車道にダイブしたことがあった。その事を住民調査にきた交番の警官に話したら、その件をすっかり忘れた頃、その警官から電話でガードレールが設置されることに決まりましたとの連絡があった。
航空法では高さ制限を超える工作物や建築物は赤白だんだら塗装するか赤色灯を付けることが決まってましたよね。最近よく解らないのがアースカラーに塗られた信号機ですね。なんで、信号機を目立たなくするのだろうか、これも認知工学で決められたものではないと思う。

Posted by: iGa @ December 13, 2005 01:47 PM