星の王子さま | [ BOOKS ] |
ひさしぶりに、代々木上原駅前の幸福書房をのぞいた。
「星の王子さま」がいろいろというか、各種、まとめておいてあるのが目についた。サンテグジュペリ没後61年の今年、日本での著作権が切れ、各種新訳が並んでいるのだ。
他の本屋でそれを見ても買う気がおきないのに、ここ、幸福書房では買おうという気になるのが不思議だ。
星の王子さま LE PETIT PRINCE
サンテグジュペリ/著 池沢 夏樹/訳
ISBN: 408773434X
出版社: 集英社
価格: 1,260-円(税込)
一冊、購入という気になった。さてどれに。
というわけで、池澤夏樹/訳の「星の王子さま」を買い求めた。
とてもきれいな本だったからだ。縦に細長いガイドブックみたいな判型、青い布装、箔押の文字、横書き、同じく青いしおりの布紐、そこに金色の Le Petit Prince の文字、と寸分のすきもない。
本の最後に「訳者として」と題する池澤の後書きがある。その付記として、この本が、オリジナルというのか、内藤濯/訳と同じ「星の王子さま」というタイトルをそのまま使うにあたっての考えがある。
........原題を直訳すれば、『小さな王子さま』ということになるだろうけれど、元の petit に込められた親愛の感じはそのままでは伝わらない。タイトルなのだからもう1つ、主人公を特定する形容が欲しい。
そして、こういう時に日本では古来、その人が住むところの名を冠した。「桐壷の更衣」も「清水の次郎長」もこのゆかしい原理から生まれた呼び名であり、「星の王子さま」もこの原理に沿った命名だからこそ、定訳となったのだ。
なるほど。
いやぁ、すごいサイトだなぁ。「星の王子さま」だけでこれだ。
● Rassemblement du Petit Prince
今回の新訳の全てに辛口の批評がある。
なんだか公式サイトなのかな。
● LE PETIT PRINCE
● Site officiel Saint Exupery
● 星の王子さま|サン=テグジュペリインターネットミュージアム
Rassemblement du Petit Princeを見たら、著作権の70年への延長を主張した三田誠広に大反発しているのが気持ちいい。著作権切れとともに、これほど堰を切ったように新訳が現れるのはほかにないことでしょうから、できればひとそろい読みくらべをしたいものです。
Posted by: 玉井一匡 @ October 3, 2005 08:27 AM