Jobs ジョブズのパーソナルコンピュータ論 | [ Apple , CYCLE ] |
先日のエントリーで紹介した「Two Steves & Apple」をぱらぱら見ていたら、[ジョブズ&ウォズニアック・トーク]に Jobs ジョブズがこんなことをしゃべっている。
Q. ) パーソナルコンピュータとは何でしょうか。A. ) それについては、自転車とコンドルとのアナロジーで答えたい。
数年前に、僕は「サイエンティフィック・アメリカン」と思いますが、人間を含めた地上のさまざまな動物の種の、運動の効率に関する研究を読みました。その研究はA地点からB地点へ最小限のエネルギーを用いて移動する時に、どの種が一番効率が良いか、結論を出したのです。結果はコンドルが最高だった。人間は下から数えて3分の1のところにいて、あまり印象に残っていません。
しかし、人間が自転車を利用した場合を、ある人が考察しました。その結果、人間はコンドルの倍の効率を見せました。つまり、自転車を発明した時、人間は本来持っている歩くという肉体的な機能を拡大する道具を作り出したといえるのです。
それゆえ、僕はパーソナルコンピュータと自転車とを比較したいのです。なぜなら、それは、人間が生れながら持つ精神的なもの、つまり知性の一部を拡大する道具だからです。個人のレベルでの生産性を高めるための特別な’関係が、人間とコンピュータの関わりの中で生まれるのです。ほとんどの人々は、まだ、パーソナルコンピュータの存在すら認識していません。この業界の挑戦は人々にパーソナルコンピュータを学んでもらう手助けをするだけでなく、パーソナルコンピュータを使いやすくして、ここ10年の間に自転車と同じくらいに人間の精神の拡張であるパーソナルコンピュータを社会に普及させようとするものです。
ジョブズはこの「自転車の物理」を読んだのではなかろうか。
Macと他の窓際群も所詮道具だから何ちゃら云う意見もあったようですが、道具だからこそ何を選ぶかが問題でしょうね。そして、それがクオリアなんでしょうね。茂木健一郎氏がバイオじゃなくてPowerBook使うのもクオリアでしょうね。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/03/post_18.html
ジョブズがガンで余命いくばくもないそうだという話をきいてびっくりして、いろいろとサイトをさがしました。神様にはだれか代わりにあげますから、ジョブズをつれていくのはどうか勘弁してください。かわりに行かせるよう推薦したいヤツはいっぱいいるぞと、あいつにこいつにと、何人もあたまに浮かんだのでした。結局それは去年の話で、医者にそう言われたが膵臓癌を手術で摘出したのだとわかり、ほっとしました。
それはさておき、「自転車の物理」も読みました。自転車とMacは、ひとりひとりの筋肉と脳の力をかくだいするすてきな仕掛けなんだとは、直感的にわかるけれど、あらゆる機械は、原爆でさえ人間の力の能力を拡大することを目的にしてつくられているはずだ、しかし、自転車やMacはどこが違うんだろうと考えてしまいます。
自転車やMacは、人間自身のエネルギー以外にはわずかしか使わない。破壊によって他者の潜在エネルギーを破壊するなんてことはしない。と、ここまではいい、しかし、できればMacと他の窓際群を区別したい。
それは、つかうエネルギーが人間の脳の能力だけではないことに意識的であるところではないでしょうか。脳は、手や目や、できれば足も協力したときに健全に活動するという立場にたっているのだと思います。マウスや、ゴミ箱や、投げ縄ツールの発明が、そのあわわれではないでしょうか。だから、Macはますます自転車なんだというわけですね。
mitsubako さん、こんにちは。
自転車もお乗りになるのですね。私は乗るより理屈ばかりです。この「自転車の物理」は、あるようでなかなか見かけない理屈と思います。ジョブズの話で思い出したのでした。
mitsubako さんの自転車が完全に身に付いているというところ、感心しました。
「自転車の物理」非常に面白いですね。自転車乗りのひとりとしては、なんとなく感覚的に身体の延長という風に自転車をとらえて乗っていたので、その裏づけをしてもらったような論文に出会った気分です。
旅にはできるだけ自転車を輪行します。それによって、かなりな広範囲を(天候には左右されますが)巡ることができるし、しらない間に「自分で行ける」という独立心も鍛えられて強くなって行きます。自転車のために、食事とか、持ち物もミニマムなコンディションに自然と持っていくし、今は、私の中で一番物事をシンプルにしていく道具のひとつとなっています。