050317

RED BOOK

Apple

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AppleII を手に入れたのは1979年、本体に附属していたのが、この AppleII Reference Manual である。
ソニー・ウォークマンの五十嵐さんのコメントで急に「カセットデッキ」のことを思い出したのだ。この頃の AppleII にはカセットデッキは必需品だったのだ。

このマニュアル、最初期の AppleII のマニュアルで、150ページほどのも、通称 Red Book だ。以下の4章より構成されている。

A. GETTING STARTED WITH YOUR APPLE II
B. APPLE II INTEGER BASIC
C. APPLE II FIRMWARE
D .APPLE II HARDWARE

FIRMWARE の章では、S.Wozniak の書いた SYSTEM MONITOR  MINI-ASSEMBLER 等のROM LISTING が公開されている。当時の AppleII のハッカーが作り出したオープンな設計思想を思い起こさせられる。
中身の濃さとは裏腹に、その体裁は学生のリポートという感じで、書体はバラバラ、各種プリンターから打ち出したままコピー、図版は切り貼り、タイプ打ち原稿のコピー、手書きの絵まで含むという具合だ。

そうそう、カセットテープの話であった。

その頃の外部記憶装置は 5.5"のフロッピーディスクドライブが最新鋭で高価な物(もちろん AppleII 自体も高価である)であった。カセットテープレコーダーを外部記憶として使うのが普通であった。
AppleII には二本のカセットテープが附属していた。"Breakuout(ブロック崩し)"、"Color Demo"と"Startreck(有名なスタートレックのゲーム)"、"10K Applesoft Floating Point Basic Language(6Kの整数ベーシックはファームウェアであった)"が二本のカセットテープの両面に入っていた。

このテープを AppleII に読み込ませるのが大変だったのである。カセットテープレコードにセット、イヤフォーンでモニターして「ピーヒョロロ(ファックスの音みたいな)」で"Return"キィを押す.....。これがうまくいかないのである。とにかく語学練習用の安価なものでいいのだが、とっかえひっかえ、なかなかうまくいかないのである。この問題についてマニュアルには数ページも要して解説、そのくらい問題だったのである。そのページにこんな記述を見つけた。

*Apple Computer Inc. has tested many types of cassette recorders and so far the Panasonic RQ-309 DS (less than $40.00) has an excellent track record for program loading.

やぁ、それならこれを買えばいいのだ、と思ったがこれがない。もう絶版の機種だったのである。
そんなこんな、仕事で出かけた兵庫県三木市のうすらさびれた電器店の小さなショーウインドウの中にそのテープレコーダー Panasonic RQ-309 DS を見つけたのであった。
もちろん、それをゲットしたことは言うまでもない。

その後、高価な Apple II の5.5"のフロッピーディスクドライブ Disk II を購入した。
そして、カセットテープでのなんたかんたの苦労をすっかり忘れてしまったのである。

Posted by 秋山東一 @ March 17, 2005 10:17 AM | TrackBack (0)
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