網野善彦を継ぐ。 | [ BOOKS ] |
赤坂憲雄なる民俗学者を不勉強で存じ上げなかったが、中沢新一とある意味で同志的な対談は、網野善彦を継ごうとする強い意志を感じさせる。本書の腰巻きの背にある「静かなるマニフェスト」たる所以と考える。
網野善彦は暦史学界に1974年の「蒙古襲来」で登場、対談の両者に「読み落とされた」と言われる、網野の意図確信は4年後の「無縁・公界・楽」によって一般にはおおいに受け入れられるが、史学界からの反発をよぶ。それは本書の対談中に「挫折」として語られる。
網野の死後の歴史学界の反応は、赤坂憲雄の後書きに言わせると「王殺し」とも言うべき陰湿さらしい。
網野善彦の見せてくれた歴史に学び、共感を覚えてきた者として、その史観の更なる発展を期待したい。その史観を継ぐべき人達にエールを送りたいと思う。
Posted by @ December 17, 2004 08:50 AM特に今、読まなければいけない本だと思ってAmazonに注文した網野善彦の『「日本」とは何か』が今朝届いた。
Posted by: iGa @ December 18, 2004 12:55 PM