040626

Wardian case ウォードの箱

TOOLS

「ウォードの箱」とは、19世紀初めに世界各地で活躍した植物収集家プラントハンター達が、収集した植物を輸送するために開発したミニ温室なんだそうだ。
今まで、そんなものの存在すら知らなかった。これは、歴史的に重要な発明と言えるものではないかな。
Google で Wardian case を検索するとたくさんでてくる。現代ではテラリュウム Terrarium と同義語ってな感じで使われている。

wardian_case_1.jpg

ウォードの箱 Wardian Case

●植物を運ぶという困難

プラントハンター達は、収集した植物を船に積んで本国へ送りましたが、航海中の潮害や暑さのために、生きた状態で送り届けることは大変難しいことでした。
特に、中国や日本などからヨーロッパへ輸送するには二度赤道を通らなければならないので、途中で枯れてしまう場合がほとんどでした。

●世界の園芸を変えた発明

ところが19世紀初め、イギリスの医師ウォード(NathanielBagshow Ward,1791〜1886)によって、植物を輸送する画期的な方法が発明されました。
密閉したガラス製の箱という極めて単純な構造ですが、この箱を用いることで東洋の植物が多数、ヨーロッパへもたらされました。当時の日本人は、すぐにこの原理を理解し、様々なバリエーションの箱を作り、日本の植物をその中に入れて、訪日したプラントハンター達に売り歩いたということです。
ここで展示する模型は、当時プラントハンター達が用いた箱を、1/2サイズで再現したものです。

(資料提供:高知県立牧野植物園)

来年開催される[愛・地球博(愛知万博)]では、北極圏の厳しい環境で育つ植物を採取して日本に移送し、開幕から1カ月間限定で出展されるそうだ。その移送用の容器は「ウォードの箱」にちなんで「21世紀のウォードの箱」と名付けられたそうだ。

http://chubu.yomiuri.co.jp/ban2003/abp040616_2.html


追記 050607

この Wardian case ウォードの箱が浜名湖花博で展示されているのを発見したのは、OM計画の川島崇功(たかのり)君であった。ちょうど彼が担当者として開発中の「OMキッチン畑」の原形となったのであった。

OMキッチン畑

Posted by @ June 26, 2004 12:48 AM
Comments