040330

梁勝ちは強い

Be-h@us

Be-h@us は数多ある集成材・金物・パネルの構法の中で、唯一、「梁勝ち」という木造軸組在来工法である。
時折、工務店の方々から「大工さんと同じですね」と云われる。木造軸組在来工法の本来的な有様なのだ。
合理化構法というシステムで唯一の「梁勝ち」を考えてみよう。
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左図がいわゆる通常の「柱勝ち」、右図が「梁勝ち」である。字義通り、柱の側面に梁がつく形と、梁が柱の上にのっている。

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柱勝ちの場合、梁側に二本のスリット加工と柱側面についたクレテック金物にピンを打ち込んで緊結されている。
梁勝ちの場合はホゾパイプピンによって結合されている。
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横方向から力を加え、変形した状態を図解している。
角度θ傾いた状態だが、ここで柱勝ちと梁勝ち双方共同じ状態の変形だが、継手部分で顕著な差となって現われる。柱勝ちの変形量X1と梁勝ちの変形量X2との差は歴然である。梁背240mmと柱(105mm角)断面の1/2、52.5mmの差、柱勝ちは梁勝ちの4.5倍も変形量が大きいのだ。これは中学生の算数の問題と思われる。
そのような過大な変形量にその継手部分が耐えられることはない。
言い換えれば、同じ変形に対して、梁勝ちは1/4.5しか変形しないということになるのだ。

Be-h@us は梁勝ちによって木の性質、その粘り強さを活かした構造になっているのだ。
左図は柱勝ち、床はただただ柱の間に支えられている。右図は梁勝ち、長い梁が柱の上にのり大きく全体の構造を成立たせている。
Be-h@us は平らな床プラットホームを全て同じ長さの柱が、ピン構造で支えるという仕掛けなのだ。
harigati2_1.jpg
Be-h@us の梁勝ち構法は、非常に原理に忠実な「ピン構造」を実現しているのだ。

Posted by @ March 30, 2004 12:55 PM
Comments

あの1997年の阪神・淡路大震災の直後、菅波と一緒に神戸にいった。
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000268.html

神戸から大阪に戻り、翌日朝、鹿児島に発つ大阪空港にいた。

私は大阪空港の地震による被害は気がつかなかったが、飛行機に向かうコンコースで、菅波が云った「秋山さん、この建物はよく設計されています。見れば分かるでしょ、ブレースだけが壊れているでしょ」と云った。
何も壊れていないそのコンコース、大きなガラスさえ壊れていないその建物のブレースのスティールだけがスパッと破断していた。

Posted by: 秋山東一 @ April 1, 2004 12:12 PM

古い建物は皆梁勝ちが基本!柱が勝っている通し柱なんてものはチョットしかなく、あれば現代の通し柱みたいに細いものでなくすんごく太くって梁はその中を貫通あるいは飲み込まれている。
重い荷重は素直に垂直材でまっすぐ地面に伝える。柱を裂くような取り付け方はさけたい。

金物自体は木より強い必要はまったくないし、もしも、金物に何かが有っても!!梁勝ちはメインの梁は落ちにくい。だって柱に乗っかってるもの。

Posted by: 鈴木一彦 @ March 31, 2004 07:57 PM

つまり金物の強度が問題なのではなく、木が破損してしまう。

梁勝ちで木が破損しにくいのは、結合部分の変形量が少なくなるので、柱が破損せず、筋交いの強度が持つ限り耐えることが出来る。

柱勝ちでは結合部分の変形量が大きく、筋交いによる強度を十分生かしきれないうちに柱や梁が破壊してしまう。

ということなのですね。ようやくわかりました。

要するに軸組み工法の基本である、柱は垂直方向の力を支え、筋交いは水平方向の力を支えるということを、最大限に生かすには、水平方向の力がかかったときには、柱と梁の結合部分は出来るだけ柔軟に変形に耐えるように作られていなければならないということを実践しているのが梁勝ちの特徴というわけですね。

菅波さん、ありがとうございます。

Posted by: mick @ March 31, 2004 03:22 PM

おっしゃるように考えがちですが現実は異なります。

〔柱勝ち〕の場合、現実は少しの力で変形が大きくなり、その変形に柱が追随できなくなり、水平力で1t程度の力で破壊してしまいます。(通常5倍倍率の壁というのは、2.5t〜3t程の力を負担します)
水平力で1t程度の力というのは、水平距離10cmほどの変形が発生します。柱勝ち工法(105角)の場合ほとんど柱が破壊してしまいます。
〔柱勝ち〕の柱は、強度は小さく、少ない変形にしか耐えられないというのが現実です。(ましてや背割れなどは最初から破壊した姿といえるでしょう、乾燥のために背割れを入れなければならないというのは、どいうことでしょうね)

〔梁勝ち〕の場合は、上記の通り2.5t〜3t変形量25cm程度で柱にも梁にも大きな支障はなく、先に筋交いが破壊してしまいます。

Be-h@us は極めて合理的な木造軸組工法といえます。

Posted by: 菅波貞男 @ March 31, 2004 02:48 PM

素人的に考えると、
・変形量は少ないが、かかる力は逆に大きくなる。
ので、逆の結論になりかねないと思われます。

前提条件として、
・金属金具はどちらの方向でも変形する
・金属金具は弾性変形領域であれば復元する。
・塑性変形領域でもすぐに破断とはならない
・塑性変形が一定量を越えると破断、あるいはピンからはずれるということが起きる。
故に、弾性、塑性変形は「変形量」が大きければそれだけ大きくなるので(かかる力には関係ない)、変形量が小さい方が最終的な機能を失うという結果になりにくい。

という意味と解釈しましたがよろしいでしょうか。
あと、柱勝ちの場合の金物はピンをU字で受ける用になっているからU字部分が変形するとはずれやすいという問題もありそうですが。

Posted by: mick @ March 30, 2004 09:08 PM

「柱勝ち」では端部の接合部が簡単に破壊されてしまうとMADCONNECTIONのコメントに書かれています。
変形する傾き角度にもよるでしょうが、梁勝ちの1/4.5の変形量は、致命的な破壊に至ることは少ないのでしょうか。
結合部は具体的にはどんな形状に変形するのでしょう。
1.ホゾパイプピンが曲がる
2.竪穴が変形、割れる

もう1つ。
最後のドローイングの梁の撓み?の違いが意味することが、しっかり理解できません。ご説明を!

Posted by: kurita @ March 30, 2004 04:27 PM