aki's STOCKTAKING: 　５. 遊戯としての模造

030710

　５. 遊戯としての模造
［ TAU·SHOKEN·KENCHI ］

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遊び、あるいは道具は原形とは全く異なる系に属し、模型としての自律性を持っている。従って原形としての価値と模型としての価値とは何ら関係はない。また、模造行為の軽重の差は大きい。
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びっくりおもちゃ
ロウ製のウンコに似たものに食堂のサンプルがある。これは原形に似ていればいるほどよく、本物をおきたいが不本意にもロウ製をおいている。
ロウ製のウンコは本物の代わりではない。さわったところで手につくわけでなく、まったく清潔なものを机の上から取り除かなければと右往左往するところがオカシイ。

玩具
玩具は最初から模造行為を内包している。原形のイメージを与える物でさえあれば、原形を超えた玩具としての自律性をもちうる。決してそれに似ているとかそれらしい形をしているという必要はまったくない。それを玩具としてしまう意識上の操作であり、想像力の問題なのだ。
一本の枝を人形として、それに布きれをきせかける。それを水の上に浮かべて舟にする。それを玩具となしうる意識上の操作をなしうる最低限の模型でじゅうぶんである。

スケールモデル
模型は原形に近ければ近いほどすぐれている。玩具が意識操作の上で何でも＜もの＞の模型にしてしまうのに対して、模型は完全に原形をスケールダウンしたものでなければならない。玩具と模型との差は、原形との縮尺があるかないかということなのである。プラスティックという素材の登場は、スケールモデルをますます精密にフェティッシュなものとしている。

ゲーム
ママゴトからお医者さんゴッコ、クーゲームまでのある種の遊びは、社会生活、人間生活の模造である。原形のシステムをスケールダウンした模造品である。そのスケールダウンを補うために、そのゲームのルールが作られている。ただの木の葉が夕食であるというルールが守られねば、そのママゴトというゲームは始まらない。