030724

 8. うちの猫って・・・

Cats , TAU·SHOKEN·KENCHI

LANDship/1997
ST.GIF

秋山東一のストックテーキング [8]

「うちの猫ってソーラーキャットなんだ」

「建築知識」1986年2月号所収

「うちの猫はソーラーキャットなんだ」

●僕の家には猫が一匹いる。1年前、荻窪方面からつてを頼ってもらって来た。その時は、まだ生まれてから2ヶ月程で、小さくて、産毛みたいな毛が立っているとても幼い猫だった(当たり前か)。早速猫用トイレや、猫用ステンレス製食器などを買い揃え、猫と一緒の生活が始まった。僕の家は“猫のいる家”になった。名前はパイパーと付けた。家族がトミー・アングラーの「キスなんてだいきらい」というお話の主人公のパイパー・ポーという猫が好きだったからだ。

SOLER CAT.GIF

●こうして、パイパーは僕の家の一員になった。オス猫で、色は黒と白。おなかの部分が白くて背中が黒、鼻も黒。毛はちょいと長くて、なかなか毛並がよろしい。足は太いしまだまだ大きくなりそうだ。1歳にして4㎏の体重を誇る。そして何といっても自慢は長いしっぽ---黒くて長くて、それに太い。誰かが「しっぽがとっても太っている」と言ったくらいだ---その上、先だけを直角に曲げることが出来る。

●彼の生活は普通の猫と、まあだいたい同じだ。家でゴロゴロしているのと、となり近所を散歩するのを日課にしている。最近は、猫達の寄いにも参加しているようで、時々ケンカして帰って来る。寒くなると、ちょっとした日だまりにゴロゴロしている。太陽の動きに合せて、丸くなったり、長くなったり(ひどく長大だ)してうまい具合に日だまりを探しだすのだ。そして時々、暑くなり過ぎたのか仰むけに、白いおなかを見せて寝ている。そうやって自分の体温をコントロールしているのだろう。パイパーは“ソーラーキャット”なのだ。

●早速ジム・オーガスティンの『ソーラーキャット』と言う本の、ソーラーキャット性能評価用プログラムなるものでパイパーのソーラーキャット度を評価してみた。その値は17,000,000とでた。Very good。大変優秀、とでたのだ。飼い主としては大変満足なのである。早く4㎏ぐらいに大きくなって、もっともっと優秀なソーラーキャットになって欲しいものだ。

●その本によれば、ソーラーキャット1匹によって得られるエネルギーは171,561.6kcalとのこと。これは、電気ヒーターが1kw-860kcalだから199.5kwに匹敵し、電気代に換算すると6,500円位になる。だがしかし彼の好きなビーフ味缶詰、そしておやつのビーフ味ビスケット等々のエサ代は200円/日で年間70,000円に達するのだ。それの彼の“玉”を取ったときの医療費はどうなるのだ。

●少なくとも、有効なソーラーシステムとして猫を維持するのは、並大抵のことではないのだ。

「建築知識」1986年2月号所収

----------- aki/030724

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Posted by @ July 24, 2003 10:20 AM
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