190726

戦場の素顔

BOOKS

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私は軍国主義者ではもうとうないが、軍事知識には大いに興味を持っている者なのである。

本書は623頁、厚さも4cm超えという大部なもの、訳者あとがきでさえ50頁もある。それを、大いにお面白く読んでいる。

目次を見ていただけば、その面白さが少しは分かっていただけるであろう……かな。

原題は THE FACE OF BATTLE、著者は John KEEGAN ジョン・キーガン、1934年生れ、オックスフォード大学卒業後、英国王立陸軍士官学校で歴史を教えていた軍事史家だそうだ。

原書は1976年刊行、翻訳本は2018年……40年以上も経っての翻訳本なのだ。

このジョン・キーガンは、なんだか難しい言い回しだが「現代英語圏で最多の読者数を誇る軍事史家」と訳者あとがきに書かれている。

本書は英国人には極く親しい三つの戦争、それも勝ち戦……、弓矢と刀槍の時代のアジャンクール会戦、単発のマスケット銃が主役のワーテルロー会戦、そして、機関銃と塹壕の第1次世界大戦ソンムの戦いが、非常に分析的に描かれているのだ。

三つの異なる時代の戦場での事実……、一人一人の兵士に起こったことが語られているのだ。


目 次

第1章 とおい昔の不仕合わせなことども

     生兵法はけがのもと
     軍事史は将校教育において何の役に立つのか
     軍事史のどこがいけないのか
     「戦記文体」
     「戦場で敵を殺すのは殺人ではない?」
     軍事史の歴史
     叙述の仕方の伝統
     裁判に勝つのか、真相を究明するのか?

第2章 アジャンクール 1415年10月25日

     そのキャンペーン
     会戦
     弓兵・対・歩兵および騎兵
     騎兵・対・歩兵
     歩兵・対・歩兵
     捕虜の殺害
     負傷者たち
     交戦意思

第3章 ワーテルロー 1815年6月18日

     そのキャンペーン
     個々人の視角
     会戦の物理的環境
     交戦の諸カテゴリー
     一騎打ち
     騎兵・対・騎兵
     騎兵・対・砲兵
     騎兵・対・歩兵
     砲兵・対・歩兵
     歩兵・対・歩兵
     秩序崩壊
     その直後
     負傷者たち

第4章 ソンム川 1916年7月1日

     戦場
     作戦計画
     攻撃準備
     イギリス海外派遣軍
     戦術
     砲撃
     最後の事前準備
     会戦
     歩兵・対・機関銃手
     歩兵・対・歩兵     
     中間地帯の反対側から何が見えたか
     負傷者たち
     交戦意思
     記憶に刻まれたもの

第5章 会戦の未来

     移動する戦場
     会戦の本性
     会戦の趨勢
     戦争の非人間的な素顔
     会戦の廃止

    訳者あとがき
     1 キーガンの生涯と著作
     2 キーガン軍事史の方法
     3 「会戦は自分自身を廃止したか」

    参考文献
    索引


Posted by 秋山東一 @ July 26, 2019 09:32 AM | TrackBack (0)
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