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饒舌抄

Architecture , BOOKS

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饒舌抄 中公文庫


著者: 吉田五十八 


ISBN: 978-4122063198
出版: 中央公論新社

価格: 1,188-円(税込)

吉田五十八の「饒舌抄」が文庫本になったということで手に取ってみた。

建築から芸事の話から、高級な話しから下世話な話しまで、よく語っておられる。それが、……実に面白く読めるのだ。

たしかに本書の書名の通り、饒舌に語っておられるなぁ。寡黙な吉村順三とは好対照というべきか。

・ ・ ・ ・ ・

没後43年だから、吉田五十八を親しく感じたりする人も少なくなっているであろうし、直接の講義を受けたり、話しを聞いた人は数少ないことになっているのだろう。
私は、かろうじて氏の講義を聴いた最後の世代ではないかと思う。

昭和36年、1961年3月、私の藝大建築科の入試の最終関門の面接だった。目の前には吉田五十八、吉村順三が座っていた。

吉村「しかし、君は数学の成績が悪いねぇ
 私「はい、芸大の受験を志してから数学の勉強はしていません
吉村「ちゃんと勉強しないと受からんよ
吉田「うーん、頭は悪くはなさそうだ

なんてのが、私の面接の記憶、……もちろん不合格であった。面接時点で合格者は決っており、最後の調整が「面接」なんだと……、後から聞いた。

合格は翌年、昭和37年、1962年となる。その時には、吉村順三、天野太郎が並んでおり、吉田五十八は退官していた。

入学した1年生時、建築科教室で吉田五十八の特別講義が開かれ、吉村順三はじめ諸先生方、そして建築科全生徒が、その講義を聴講した。
私は「先生は「日本的なるものを追求されてきたのですか……」なんて、今思うと怖い物知らずの質問なんてしてしまったのであった。


目 次
饒舌抄
続 饒舌抄
続々 饒舌抄
和装の七紐
川合玉堂画伯の画室を語る
吉屋さんの家
家族中心の新提案
目覚めよ十三対一 ー数寄屋建築家に与ふ
柱ばかりの家 ー建築界の宿弊を打破して
能率的な居間 ー吉屋信子邸
日本建築 座談会 岸田日出刀 吉田五十八 堀口捨巳 谷口吉郎
能と地唄舞
たたみ
すみこなし
新画室応答 ー梅原龍三郎画室
隠された芸のやま
素人芸は下克上
鬼門談義
芸術家のすまい 対談 梅原龍三郎 吉田五十八
木情家
素人と玄人
建築に盛る平安京
建築と衣服の調和美
木のこと 木造建築のこと 対談 吉田五十八 清水 一
設計緩急
日本美術の展示 採光照明の一考察
短かすぎる建築修業 ー大学の建築科を五年制に
スライド建築家
古典の非具象美
混邦楽
建築士の昔と今
数寄屋偽物もの語
演教の分離
私の座右銘
勇気あることば
しゃれの名人
稽古抄話
日本建築の創造 聞き手 伊藤ていじ
邦楽にも段位を
創作と遅筆
芸のつぐない袋
芸のなれ
洒落と庵号
優雅な生活
京の家 江戸の家 講演
数寄屋十話

 あとがき
 吉田五十八 略年譜
 解説 佐伯泰英


Posted by 秋山東一 @ February 17, 2017 12:45 AM | TrackBack (0)
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