玉屋T定規 | [ Architecture , Stationery ] |
もう絶滅危惧種であろう……、T定規(丁定規)である。
それも、内田祥哉先生設計の銀座・玉屋のT定規である。
1987年4月号の建築知識誌の文房具特集に「玉屋T定規・物語」で記事になったものだ。
もう使っていた時代から半世紀……、平行定規、そして今はCADの時代……、一級建築士実技試験のお道具としても使われなくなったT定規というものだ。
昨日、某所で話題になり……出してみたのである。
二種類あるが、前期型と後期型と言ってみよう。前にある二つは後期型、定規の厚みが4mm、丸みを帯びた前期型は3mmであるし、金物の大きさも異なる。
内田祥哉先生の設計図からは両方とも実際的に改良されているように思える。
いろいろ思い出したりしている。まずは記述が間違っているのを修正する。
丸みを帯びているのは、まだ藝大建築生徒の頃手に入れた1200mmのものだ。基部の丸みを帯びた形態は異なるが、定規の厚み3mm(オリジナル図面では2mm……だが、存在したんだろうか)、金物はメッキされており、ある意味、内田先生のオリジナルの仕様を再現しているように思える。
黄色っぽく角張っているのが後期型である。1972年、東事務所から独立した時に、新しい事務所の備品として3丁用意したものだ。900mmの物が二丁、1200mmの物が1丁だったが、1200mmは、内田祥哉先生にお会いした時に差し上げた。