本気で5アンペア | [ BOOKS ] |
著者の斎藤健一郎氏は朝日新聞記者、3.11 の時、福島県郡山支局勤務で被災、福島第一原発事故を経験する。
その後、東京に転勤となるが、世の中原発再稼働なる方向に傾いていく中で、電気ゼロの生活を夢想するようになる。
そんなこんな、同僚たちとの雑談の中で電気契約の中に「5アンペア」なるものがあることを教えられる。ゼロでは説得力が乏しいが、電気使用を最低限まで落せるならば……可能かもしれないと考えるようになるのだ。
東京電力との契約……、隠されたかのように存在していた「従量電灯A」なる契約に行き着くのだ。そして、かれは実行する。
5アンペア……基本料金はゼロとなり、使わなければ電気代はゼロになるのだ。
それがどのような生活なのか、「普通の暮らしはできなくなりますよ」と言われた生活とは……どのようなものなのか。
第1章 天国から地獄へ
待機電力ゼロの喜び
自転車にランタンー5アンペア生活の日常
福島での天国生活
天国のたんこぶ
揺れが来た
地震被害の取材
原発取材での光景
状況の悪化
半壊になった我が家
原発がまき散らした不幸
第2章 断・電気宣言から5アンペア契約へ
ふんだんにあった電気と家電
電気使用への違和感
再稼働で試される国民
初耳、5アンペア契約?
隠された5アンペア契約
東電カスタマーセンターの抵抗
さわやかな東電青年、現れる
5アンペアに驚きの新事実発覚
第3章 家電版事業仕分けで不安解消
エコ生活40年超の節電師匠
おびえながらのスタート
電気の見える化
家電版事業仕分けを試みる
継続する家電を決める
いざ、実践の日々
第4章 励まし、批判、苦闘
新聞記事になる?
反響さまざま、批判は匿名
節電の強敵は夏
古き良きものの活躍
第5章 5アンペア生活の成長
オリンピックの誘惑に負ける
電気代が下がる、下がる
猛暑を乗り切る
24時間稼働の冷蔵庫をどうするのか
24時間営業停止
冬支度いろいろ
第6章 自然を味方につける
完全自給への道
ヤドカリ生活の効用
家電よ、さらば
新5アンペア生活
部屋の外でも節電を
会社でできること
シェルターとしてキャンピングカーを買う
2つの反省
転勤は突然に
第7章 電気の自産自消へ
土地勘なしの家探し
日当たり第一の物件選び
中部電力でも5アンペア
襲う悲劇
さらなる悲劇
3年ぶりに家電を買う
決定的な悲劇
困難を力に
自家太陽光発電所キットを発注
発電所機材が届いた
健電完成
エピローグ 5アンペア生活が普通の暮らし
あとがき
氏がやろうとしていること……「普通の暮らしはできなくなりますよ」の「普通」とは何なのかを見直すことにある。その為に自分に課したしばりが5アンペアなのだ。その中で、自分自身の価値判断を作り出そうとしているのだ。
エピローグに名古屋赴任の二ヶ月後の中部電力浜岡原発を見学したことが書かれている。その原発を再稼働する為の言辞は、皆さんの普通の生活を守る……あるいは維持する為……、今の普通をみなおさねばならない……と思う。
第1章の「地震被害の取材」から「原発がまき散らした不幸」までの数章は、福島で取材活動にあたる自らの線量計が示す線量が徐々に上がっていく……、見えない放射線の恐怖を語っている……、この福島での体験が、彼の行動の動機なのだ。
玉井さん、どうもです。
彼は、車載用の冷凍冷蔵庫があり、ソーラーパネルで必要な時だけ稼働させ、十分冷えたところで高性能保冷庫に移して使うそうです。もちろん、クーラーはありませんが、替わりに消費電力極小のDCモーター扇風機を使っているそうです。
本も、生活も、おもしろそうですね
照明は早寝早起きで減らし
Macはソーラー充電器をつかうとして
冷蔵庫がいちばんむずかしそうですね
「エコを意識しながら丁寧に暮らす」
「昭和がお手本 衣食住」のアズマカナコさんは
電気代500円前後で冷蔵庫はつかっていないそうですね