まことの徒然草/3 | [ Architecture , BOOKS ] |
「まことの徒然草」の「入り隅物語」の後半、建築家として空間を文章で表現しているのには感心してしまう。
とらえどころの無い空間を、実に巧みに言葉にしているのだ。
熟達した建築家による、言葉による建築……と思えるものだ。
空間の持つさまざまな感じは言葉では言い表せないが、次のような条件で、それぞれどんな感じになるかということは、設計畑に住んでいる人にとっては面白い問題だ。例えば……、
(1) 狭くて天井の低い部屋から、それよりも少しだけ天井が高く面積もある部屋に行くと、相当広い部屋と感じることはないか。
(2) 広巾の廊下から一つ曲がって巾の狭い廊下に進むとそれが実際よりも永い廊下と感じないか。
(3) 天井までとどく高い開口部の、すぐ内側の室内空間と、300〜450ミリくらいの小壁のある、いくらか低い開口部の、すぐ内側の室内空間では、空気の持つ「丸み」に相異がないか。
(4) 床から650〜750ミリくらいの高さを持つ窓下の腰壁と、360〜450ミリくらいの腰壁とを比べると、その内側の抱えている空間全体の広さの感じに相当な違いがあると思わないか。
(5) 隣の部屋と、こっちの部屋の間が壁である場合と、そこになにもなくて繋がっている場合とでは、こっちの部屋の空間の広さはどっちが広く感じるか。
(6) …………
安田さん、makotono@citrohan.sub.jp にメールいただいているので、ここのコメント欄の投稿は削除しました。
Posted by: 秋山東一 @ November 2, 2013 06:01 AM