130906

SAR / Class 15F

TRANSPORT

Steam_loco_130903_0.jpg先日、NHKで地球ドラマチック「蒸気機関車の“お引っ越し”!?」なるドキュメンタリーを見た。なかなか面白かった。

SAR とは South Africa Railway の略だ。

その南アフリカ鉄道の蒸気機関車 15F が、活躍した南アフリカの地を離れ、英国はグラスゴーの地へと帰る(この機関車は1945年英国グラスゴーの MBL 製なのだ)……。

その道程、その苦労を記録したものなのだ。


英国グラスゴーのグラスゴー交通博物館 Glasgow Museum of Transport Technology が、2011年、リバーサイド博物館 Riverside Museum(設計は、今、日本でも話題ザハ・ハディッドだ。)に移転するのにともなっての新展示物の役割を担うのだ。

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一応保存されていた南アフリカ内陸のブルームフォンテーン Bloemfontein から、鉄路800km余りをダーバン Durban の港へ移動する。しかし、自力走行というわけではないから、ディーゼル機関車に牽引され、15F の100tの重量に見合うブレーキを掛けられる複数の貨車をも牽引するという奇妙な列車編成なのだ。
まぁ、ずいぶんと動かしていない機関車を走らせるわけで、機関士も同行……途中で潤滑油を給油しながらの道中なのだ。

ダーバンの港では、永らく放置され痛んだ線路で岸壁へ、貨物船に載せるのにもクレーンで一悶着……、そんな苦労を"This is South Africa"というらしい。

その後、船の都合でハンブルグ経由……、無事、英国イミンガム港 Immingham に上陸、今度は陸路、トラックに載せられて……グラスゴーに無事到着したのだ。

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私にとって、このドキュメンタリーの面白さは、蒸気機関車云々よりも、South Africa Railway 南アフリカ鉄道の線路が見られたことにある。
それは、欧米で普通の標準軌 4' 8.5"(1,435 mm)ではなく狭軌なのだ。この南アフリカ鉄道のゲージ・軌間は、日本でお馴染の旧国鉄・JRの軌間 3'6"(1,067mm)なのだ。

南アフリカでは日本の国鉄と同じ軌間でありながら、大きく強力、高性能な蒸気機関車を稼働させていたのだ。その話し、齋藤晃著「蒸気機関車の挑戦」に詳しいのだ。

Posted by 秋山東一 @ September 6, 2013 02:12 AM
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