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初代 竹内洋岳に聞く

BOOKS

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初代 竹内洋岳 (ひろたか) に聞く

著者 (聞き書き) : 塩野 米松

ISBN: 978-4904659014
出版: アートオフィスプリズム

価格: 1,995-円(税込)

玉井さんが MyPlace2 に紹介されていた本書を早速にゲットしたのだ。

厚さ40mm弱の540頁……。とにかく大部な一冊だが、すんなりと読めた。

これが塩野米松(よねまつ)なる方の「聞き書き」の力なのか。本人、登山家・竹内洋岳が目の前で語っているかのようにすんなりと聞ける……、じゃなくて読めるのだ。

竹内洋岳が成した「8000m峰14座登頂 」なる世界は、昔、読んだエベレストで起きた大量遭難事件をあつかったノンフィクション INTO THIN AIR「空へ ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」を読んで以来、関心をもっているのだ。

私は登山というもの、岩だろうが冬だろうが、それがどのようなものであれ、やりたいと思っこともないし、できるわけはないのだが、それがどのように成されたのかは大変興味のあることなのだ。


目次
巻頭(写真)

2008年1月16日、話しはじめに

 第一章 少年時代
 第二章 山へ
 第三章 初の海外遠征「シシャパンマ
 第四章 日本山岳会「マカルー登頂」1995年
 第五章 エベレストK2継続登山
 第六章 波乱の期間
 第七章 新たな登山
 第八章 豊かな友人達との山行き
 第九章 ガッシャブルムII 雪崩
 第十章 再び14座を目指して
第十一章 GIIへ持って行った道具
第十二章 継続でブロードピーク
第十三章 12座目、ローツェ登頂

聞き書き者 あとがき


玉井さんが「秋山さんは道具好きだから、この本は気に入ると思います」と言っておられたのだが、もちろん……なのである。

竹内洋岳は、事故にあって再起も危ぶまれた後に再挑戦して登頂を成した「ガッシャブルムII」に持って行った道具……装備の解説に一章さいているのだ。「第十一章 GIIへ持って行った道具」がそうだ。絵まで付いているのだ。

そこに語られる最新鋭の登山用具の数々の話し、非常に面白く読んだ……。その進化ぶりには、唯々、驚愕なのである。そこには衛星電話やGPSはあっても酸素ボンベはない。その道具建て自体が、彼の登山の思想であり哲学なのである。

彼の道具の話は実に具体的にして実際的、高所の低温下では、アルカリ電池がだめで、リチウム電池が必要であることを語ってくれるのだ。

MyPlace2 のエントリーには玉井さんが調べた、竹内洋岳が自ら語っている記事にリンクされている。

 ● 「初代 竹内洋岳に聞く」 | MyPlace2


Posted by 秋山東一 @ April 11, 2013 05:26 PM
Comments

玉井さん、どうも……こんな遅い時間に……。
建築家、登山家……、まぁ、格闘家ってのもあったなぁ、と思うけど、この竹中って……家じゃなくて、athlete アスリートというべきじゃないかと思いましたです。

Posted by: 秋山東一 @ April 12, 2013 02:52 AM

8000Mを超えると空気の薄さがまったく違うんだというようなことを竹内洋岳が言っていたと記憶していますが
「空へ」の原題「INTO THIN AIR」というタイトルを見ると
あれだけ道具をすきな竹内が酸素は使わないというのは
そこだけは登山家にとってゆずれない大切なところなんですね。

Posted by: 玉井一匡 @ April 12, 2013 02:45 AM