海底二万里 | [ BOOKS ] |
ふむ、最近、本屋も覘いていなかったから、新訳本の「海底二万里」があるとは知らなかったのだ。それに、アメリさんは翻訳家・村松潔氏のお嬢さんだから……、村松潔訳の本が出ていたのだ。昨年の夏前、電話で新訳本の校正に手間取っている……とお聞きしたが、本書の事だったのかと合点がいったのだ。
早速、書店に出かけ、上下二冊の新潮社版・村松潔新訳「海底二万里」を手に入れたのだ。
この本の表紙が魅力的なディズニー映画のノーチラス号だったからよく覚えているのだが、とにかく、この物語のビジュアルな面は、このディズニー映画での印象でずっと来ているのだ。
本書には初版と同じオリジナルの銅版画の挿絵が全て収録……実に新鮮に見られるのだ。
1 逃げる岩礁
2 賛否両論
3 旦那様のお気に召すままに
4 ネッド・ランド
5 行きあたりばったり
6 全速力で
7 新種のクジラ
8 動中の動
9 ネッド・ランドの怒り
10 海の人間
11 ノーチラス号
12 すべては電気で
13 いくつかの数字
14 黒い川
15 招待状
16 海底平野を散歩する
17 海底の森
18 太平洋の海面下を四〇〇〇里
19 ヴァニコロ島
20 トレス海峡
21 陸上での数日
22 ネモ船長の電撃
23 病的な眠り
24 サンゴの王国
註
1 インド洋
2 ネモ船長からのあらたな提案
3 一〇〇〇万フランの真珠
4 紅海
5 アラビアン・トンネル
6 ギリシャの島々
7 四十八時間で地中海横断
8 ビーゴ湾
9 失われた大陸
10 海底の炭田
11 サルガッソー海
12 ハクジラとヒゲクジラ
13 棚氷
14 南極
15 事故かトラブルか
16 空気が足りない
17 ホーン岬からアマゾンへ
18 大ダコ
19 メキシコ湾流
20 北緯四七度二四分、西経一七度二八分
21 大虐殺
22 ネモ船長の最後の言葉
23 結末
註
訳者あとがき
第一部400頁強に対して、註だけで50頁を越える……、ざっと、380項目以上の語句に註が施されているのである。やぁ、翻訳者の執念のようにも思えてくるが、これが第二部にもわたるから、膨大な数の註が付されていることになる。
村松潔氏は訳者あとがきの最後に書かれている。
「……念のため、巻末に付した註について。世界中の地理や歴史についてはもちろん、ありとあらゆる生き物の名前がおびただしく出てくるのが本書の特徴のひとつになっている。これだけ執拗に名前を列挙しているからには、ヴェルヌにとってこういう名前をかぞえあげることが大切だったにちがいない。……生物名にはできるかぎり学名を付けた。生物名は作者がかってに発明したようなものではなさそうで、十九世紀のビュフォン、ラセぺード、キュヴィエ、ミルヌ=エドワールなどの博物学の文献を当たることで大部分は特定できた。……」と註について説明されているが、その作業は並大抵の事ではなかったに違いない。
その膨大な量の註の存在によって、本書は一つの文学作品から十九世紀の科学、地誌、博物学のリファレンスとなっているのだ。読者は現在のネット世界で、容易に、より深い情報に辿り着ける……、そんな仕掛けが本書の大いなる志なのである。
わきたさん、どうもです。
ぜひぜひ、村松潔の新訳を……読んでくださいまし。全て載録された銅版画の挿絵を見ると、ディズニー映画で刷り込まれたビジュアルを再構築できます。
子どもの頃、夢中になって読みました。たぶん、子ども向けに書き直したものだと思います。また、ゴム動力のプラモデルも持っていました。
Posted by: わきた・けんいち @ January 22, 2013 10:21 AMiGa さん、どうもです。
私は神田の啓文堂(……珍しいことに神田駅前にある)で購入いたしましたです。くまざわは結構利用するから、カード持っていてもいいかな。
昨日、イトーヨーカドー内のくまざわ書店で上下2冊ゲットしました。くまざわ書店もamazonに対抗してかポイントカードを始めたようです。
Posted by: iGa @ January 19, 2013 10:07 AM玉井さん、どうもです。私はそのようなことのないように、amazon のカートをメモ代わりに使っています。
まず、欲しい本をカートに入れて>カートを見る>今は買わない……、これで、いつも amazon の自分のカートにその記録が保存されています。必要な時、本屋で iPhone の amazon を開いてみればいいのです。
いつも一度カートに入れてからチェックする……という習慣になれば、amazon で衝動買いをしてしまうのも防げます。私のカートの記録には既に200冊の買わなかった本の記録が残っています。
Posted by: 秋山東一 @ January 18, 2013 05:09 AM先日、新潟のジュンク堂に行って
買おうと思ってた本があったはずだと、しばらく考えたが思い出せませんでした。
うーむ、これだったのだ。
amazonで検索して、新潟のジュンク堂で買うことにしていますが
タイムラグだけでなくて、こういう結果も生じるんだから
日本の本屋を応援しようというのも楽ではないですね。